この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
こじらせてません
第3章 幽閉
ミソラの評を聞いて、更にトモミの悲哀が深まった。

ああそうか、幼い頃に離婚したのだった。

アキラの父親が、「あまり母親と会うな」と言ったことからも、父母の間には大きな溝が生じていると察せられる。

だが母親にとっては、はなればなれになっても、子供は子供だろう。

「ミソラちゃんにとっては、お父さんとお母さんかもしれないけど、二人の間では男と女なの。二人にしかわからない、いろんなことがあるんだよ。だからね、子供でも、口を出せないことがあるの。でもたとえそうでも、ミソラちゃんに対する思いとは、まったく関係ないんだよ」

これもまた、祖母がミサに教えたことだった。

「お父さんは騙されたんだよ、トモミちゃんに。だから、この人は、お継母さんなんかじゃない。何回言わせんの?」
「……」

頑固だ。

――いや、それ以前に、祖母の訓戒をもってしても譲らないミソラの態度には、なにがしかの違和感があった。

「……ね、ミソラちゃん」
「ん?」
「さっきからね、私が使うおかあさんと、ミソラちゃんが使うおかあさんとで、……なんだか、感じが違う気がするんだけど」
「漢字?」
「うん、感じがね、なんとなく……」

するとようやく、

「ミ、ミサさん……。あの……」

アキラが小さな声で、口を挟んだ。

「えっと、トモミさんは、僕たちを産んでくれたお母さんじゃなく、その、父がもうすぐ再婚する人なんです」
「え……、あ……」

なるほど。違和感の正体が明らかになった。

大変、的外れな根拠に基づいてミソラを諭していたことになる。
混乱に加え、誤謬を犯した羞恥を盛られて、二の句を継げずにいると、

「そう。そんで、私とアキラの中等部のころの担任」

ミソラから、更に新たな切片が投げ込まれた。

これも、なるほどだった。

父親の再婚相手が、かつての担任教師とは。
ミソラには不潔に見えてしかたがないのだろう。
/257ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ