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こじらせてません
第3章 幽閉
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多感な思春期とあってはむべなるかな、ではあるが、先ほど話したように、男と女には、たとえ子供であってもわかり得ないことがあるのだ。
トモミだって、子供たちが受ける影響くらいはわかっているだろう。
それを押して、結婚しようというのだから、彼女には強い意志があるに違いない。
「そんで、アキラの初めての相手」
「ま、まあっ……! ミ、ミソラちゃんたらっ……!」
また更に、ミソラが投げ込んだ切片に、悲しがっていたはずのトモミが、紅潮したうえ、慌てた。
「……は?」
ミサはというと、この切片については、たちまち理解することはできなかった。
「だーかーらー。アキラの初エッチの相手だよ。ヤッバいよねー、教え子に手出しちゃったんだもん。そん時は、結婚してたんだよー、トモミちゃん」
かつて不条理な敗北感を引き起こした不特定の女が、突然、特定された。
アキラを見た。
うつむいている。
真実だ、と言っているようなものだ。
「ね、アキラくん、どういうこと?」
合理性に照らせば、最優先させるべき事項ではない。だが不条理な敗北感に後押しされて、図らずも拘泥してしまった。
「……」
「アキラくん、きいてるんだけど」
「……」
言いがかって……いるつもりはない。
ちなみに、事実であるなら、ただ「事実だ」と言えばいいものではなかった。ミサにとっては、それでは切片として不足していた。
先ほど「母です」と紹介してくれたが、それ以外は何も言わなかった。
もちろん「この人はお父さんの再婚相手で、中学生の時の担任で、初体験の相手です」と紹介できるわけはない。
そんなことは、わかっていた。
だが、チャンスはあったのに、「母です」の一言で済まそうとしたことが、そして自分を紹介しようとしなかったことが、ミサに激発的な怒りを催させた。
「アキラくんっ!」
激発的な怒りは、ミサの語気を荒げた。
怒りが、ミサがかつて一度も奮ったことがない、暴力という形で現出しようとしたその時、
「ま、待ってください!」
トモミの大きな声で制された。
「なにもかも……、ああ……、何もかも。アキラちゃんが、おつきあいされている方に、告白します……」
トモミだって、子供たちが受ける影響くらいはわかっているだろう。
それを押して、結婚しようというのだから、彼女には強い意志があるに違いない。
「そんで、アキラの初めての相手」
「ま、まあっ……! ミ、ミソラちゃんたらっ……!」
また更に、ミソラが投げ込んだ切片に、悲しがっていたはずのトモミが、紅潮したうえ、慌てた。
「……は?」
ミサはというと、この切片については、たちまち理解することはできなかった。
「だーかーらー。アキラの初エッチの相手だよ。ヤッバいよねー、教え子に手出しちゃったんだもん。そん時は、結婚してたんだよー、トモミちゃん」
かつて不条理な敗北感を引き起こした不特定の女が、突然、特定された。
アキラを見た。
うつむいている。
真実だ、と言っているようなものだ。
「ね、アキラくん、どういうこと?」
合理性に照らせば、最優先させるべき事項ではない。だが不条理な敗北感に後押しされて、図らずも拘泥してしまった。
「……」
「アキラくん、きいてるんだけど」
「……」
言いがかって……いるつもりはない。
ちなみに、事実であるなら、ただ「事実だ」と言えばいいものではなかった。ミサにとっては、それでは切片として不足していた。
先ほど「母です」と紹介してくれたが、それ以外は何も言わなかった。
もちろん「この人はお父さんの再婚相手で、中学生の時の担任で、初体験の相手です」と紹介できるわけはない。
そんなことは、わかっていた。
だが、チャンスはあったのに、「母です」の一言で済まそうとしたことが、そして自分を紹介しようとしなかったことが、ミサに激発的な怒りを催させた。
「アキラくんっ!」
激発的な怒りは、ミサの語気を荒げた。
怒りが、ミサがかつて一度も奮ったことがない、暴力という形で現出しようとしたその時、
「ま、待ってください!」
トモミの大きな声で制された。
「なにもかも……、ああ……、何もかも。アキラちゃんが、おつきあいされている方に、告白します……」
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