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こじらせてません
第3章 幽閉

トモミがブライチであった理由も判明した。
要は、ミソラとトモミで、アキラを奪い合おうとしていた、というわけだ。
……この部屋で。
「とにかく、服を着てください」
一人暮らしの部屋に干支が同じ男女が四人。まともに服を着ているのは、あるじたるミサだけだった。
「そして、……帰ってください」
何度めか知れない、髪を耳にかけなおすと、静かに付け加えた。
「だってさ。トモミちゃん、帰ってよ」
「まあ、ミソラちゃん、どうする気? もしかしてこの後、ミサさんの許可をもらってアキラちゃんと……。いけません。ミソラちゃんが、帰りなさい。今日模試サボったんだから、お家で勉強するんです」
「なに言ってんの? 失格教師なんかにゃ、用はないって」
ミサは咳払いをした。
「二人とも、帰ってください」
言葉不足を補うと、二人とも、ミサを見上げ、
「えー、なんで?」
「どうしてですか?」
と、理由を問うてきた。
「……えー、っと」
ミサは決断した。
すー、はー、と大きく息を吸い込んで、吐いて、深呼吸を為したわけであるが、それでもすぐにマグマが噴き上げてきたので、すー、ともう一度吸った。
「ここは私の家なの! とっとと帰って!!」
放ってから、ミサは目を瞠いた。
自分でも、こんな大きな声が出るとは思わなかった。
これは罵倒ではない。
話を充分に聞いた上での、叱責である。
大きな声であっただけに、直後の静寂が深かったが、
「てか、ここ賃貸でしょ?」
とミソラが言った。
なぜか叱り慣れてなさを露呈した気分にさせられて、ミサはもう一度息を吸った。
「賃貸契約を結んでるのは、私! そのベッド買ったのも私! ちなみに……」ミサはシーツの上に落ちている紫の布玉を指さして、「そのパンツ、アキラくんに買ってあげたのも私なの!! 勝手に脱がさないで!」
ミサに言われて、アキラがパッとビキニブリーフを取ると、枕に隠してもぞもぞと履き始めた。
「ま、まあ……アキラちゃんにしては、すごくセクシーな下着だとは思いましたが……。素晴らしいセンス……」
とトモミが呟いた。
要は、ミソラとトモミで、アキラを奪い合おうとしていた、というわけだ。
……この部屋で。
「とにかく、服を着てください」
一人暮らしの部屋に干支が同じ男女が四人。まともに服を着ているのは、あるじたるミサだけだった。
「そして、……帰ってください」
何度めか知れない、髪を耳にかけなおすと、静かに付け加えた。
「だってさ。トモミちゃん、帰ってよ」
「まあ、ミソラちゃん、どうする気? もしかしてこの後、ミサさんの許可をもらってアキラちゃんと……。いけません。ミソラちゃんが、帰りなさい。今日模試サボったんだから、お家で勉強するんです」
「なに言ってんの? 失格教師なんかにゃ、用はないって」
ミサは咳払いをした。
「二人とも、帰ってください」
言葉不足を補うと、二人とも、ミサを見上げ、
「えー、なんで?」
「どうしてですか?」
と、理由を問うてきた。
「……えー、っと」
ミサは決断した。
すー、はー、と大きく息を吸い込んで、吐いて、深呼吸を為したわけであるが、それでもすぐにマグマが噴き上げてきたので、すー、ともう一度吸った。
「ここは私の家なの! とっとと帰って!!」
放ってから、ミサは目を瞠いた。
自分でも、こんな大きな声が出るとは思わなかった。
これは罵倒ではない。
話を充分に聞いた上での、叱責である。
大きな声であっただけに、直後の静寂が深かったが、
「てか、ここ賃貸でしょ?」
とミソラが言った。
なぜか叱り慣れてなさを露呈した気分にさせられて、ミサはもう一度息を吸った。
「賃貸契約を結んでるのは、私! そのベッド買ったのも私! ちなみに……」ミサはシーツの上に落ちている紫の布玉を指さして、「そのパンツ、アキラくんに買ってあげたのも私なの!! 勝手に脱がさないで!」
ミサに言われて、アキラがパッとビキニブリーフを取ると、枕に隠してもぞもぞと履き始めた。
「ま、まあ……アキラちゃんにしては、すごくセクシーな下着だとは思いましたが……。素晴らしいセンス……」
とトモミが呟いた。

