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こじらせてません
第3章 幽閉
ミサは答える代わりに、彼の唇を塞いだ。

不仲になっても、キスをして黙らせて、体をまさぐって情欲を煽れば、だいたいの男は何とかなる。リカバリ可能だった。

「アキラくんは、……わたしのペットなんだから」

アキラから離れ、チェストの引き出しを開けた。
首輪を取り出して振り返る。

「……ペットでいたい、ってことだよね?」
「は、はい……」
「じゃ、他の女に、絶対に、なつかないで」
「……」

彼の前に投げ置く。
沈黙。

「ん、返事は? まさか、なつきたいの?」

アキラを見下ろす。

「いっ、いえっ……。わ、わかりました」

こういう時にも、えてして自分の身長は役に立つようだ。

喉元まで我欲があふれてきていた。

「じゃ、ちょっと用事済ませてくるから、首輪とアイマスク、自分でつけて待ってなさい。今日は脱がせてあげない。自分で、ハダカになるの、いい? ……あ、そうだ、パンツは脱いじゃダメだよ。つまり、首輪とアイマスクとパンツだけね。んと……あと、それから……、そうそう、クローゼット勝手に開けて、私の下着あさったらダメ。いけないこと、しちゃダメ。いい子で待ってたら、あとでちゃんと、いま履いてるの、ご褒美にあげるから。わかった?」
「ん、え、えっと」
「返事」
「……わ、わかりました」

ミサはアキラを残し、寝室を出た。




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