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こじらせてません
第3章 幽閉


鼻先がこすれて、腰がクイッと躍った。

躍るとよけいに、彼の顔面の起伏へ柔らかい肉がこすれ、腰椎が勝手にはたらくのだった。

「はっ、やっ……」

そのはたらきぶりが、あまりにもはしたなく思えて、ミサは前に手をつき、ヒップを浮かそうとした。

しかし、接面を引き離すことはできなかった。
アキラが両手で腰をとらえていた。

「んっ、アキラ、くん……、手……はな、んふぁっ」

ヌッと舌が入ってきて、語尾が混濁した。

門が割られ、音を立てて吸い取られる。中から、すするものが垂れ落ちてしまうからである。

「やっ、ダメッ……ね、アキラくんっ……! ちょ、ちょっと……あっ!」

もう一度、舌が入ってきた。

先ほどよりも奥まで入りこんできて、

「わっ、あっ……」

倒れてしまいそうな上体を、ついた手で支えているのが精一杯だった。

下肢の筋肉を収縮させ、しかしときどき引きつらせて、

「んあぁっ!!」

また、自分でも驚くほど大きな声が出た。

罵倒でも、叱責でもなかった。
恥ずかしさで脳が弾け飛んでしまいそうなほどの、嬌声だった。

「んぃっ……! ま、って……、べ、ベロ……しないで……ンッ!」

まだなお、唇が花弁をはみ、尖った舌先が敏感になった縁をなぞってくる。

余韻にたゆとおうとしていたのに、歓喜が引き伸ばされるもどかしさに、ずいぶんとビブラートのかかったハミングが漏れた。

貪られる粗暴さも、弄ばれる陰湿さもなかった。
愛しみだけが感じられた。

それだけに、甘く溶けそうな舌遣いに任せて、痙攣し続けていた。

(ま、また……)

腰椎がはたらきはじめて、下肢が躍動する。
自分の腰が、こんなに柔軟に――言いかえると、卑猥に、波うつところを見たことがなかった。

蜜が体の奥からほとばしったのがわかった。
直後に、すする音を聞かされた。

不快さはない。
なかったが、さっきより水分がまさっているように聞こえて、その羞恥で新たな蜜が迸発した。

「やっ、も、う、また……、はうっ!!」
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