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こじらせてません
第3章 幽閉
また頂が来た。腰だけではなく、体じゅうを快美が跳梁した。
(ど、どうしよ。……とまんない)
止めたくても、止めることができないまま、大胆に開いた無防備な場所を、彼の顔へ預けていた。
――何度も極まって、正気が保てるか心配になり、ダメモトで腰を緩めようとしたら、緩まった。
(……!)
そして、ミサは慌てた。
「ア、アキラくん……、息……、してる?」
忘我のうちに、かなりの自重をかけてしまっていた。
いつのまにやら、腰を抑えていたアキラの手に、力がなかった。
だから、腰の動きを緩めることができたのだ。
「ミサ、さん……」
虚ろな眼と視線が合う。
(わあっ!)
更に、ミサは慌てた。
(あー、もうやだ、なにこれ……)
引き剥がした枕カバーで、眉間から顎までを拭った。
こんな切片、マンガでは描かれていなかった。
比喩的に、溺れそうになっているのは自分だと思っていたのに、現実的に、溺れていたのはアキラのほうだった。
顔を拭わせたまま、アキラがゆっくりと起き上がってきた。
息が荒い。
「んと……」
じっと見つめられて、なんと声をかけていいかわからなかった。
ミサが戸惑っていると、アキラも頬へ手を添えてきた。
「ん……、どうしたの?」
指先が耳下や顎のラインに触れてくる。
その手がジャマで、髪をかきあげることができない。
(もしかして、私の顔にも、なにか付いてる!?)
そんな危惧がミサを襲った。
意識と一緒に、ナニかも飛ばしてしまったのだろうか。
確かに、最後のほう、スゴい音が立っていたような気がする。
枕カバーを自分の顔にも押し当てようとした手をとらえられ、引き寄せられた。
「……すごく、うれしいです」
アキラが囁いた。
溺れそうになったのに?
だが、じっと見つめられ、顔の各所を撫でてくる指先のむつまじさを感じていくうち、杞憂であったことと、それから、彼を正面にしてまったく無防備な自分に気づいた。
「やっ……、ちょ、ちょっと!」
枕カバーをなげうって、アキラの目線へ手をかかげようとしたが、腕で妨げられた。
その手が髪に埋まり、撫でられると、そこからジーンとした和みが広がってくるものだから、顔を背けることもできなかった。
(ど、どうしよ。……とまんない)
止めたくても、止めることができないまま、大胆に開いた無防備な場所を、彼の顔へ預けていた。
――何度も極まって、正気が保てるか心配になり、ダメモトで腰を緩めようとしたら、緩まった。
(……!)
そして、ミサは慌てた。
「ア、アキラくん……、息……、してる?」
忘我のうちに、かなりの自重をかけてしまっていた。
いつのまにやら、腰を抑えていたアキラの手に、力がなかった。
だから、腰の動きを緩めることができたのだ。
「ミサ、さん……」
虚ろな眼と視線が合う。
(わあっ!)
更に、ミサは慌てた。
(あー、もうやだ、なにこれ……)
引き剥がした枕カバーで、眉間から顎までを拭った。
こんな切片、マンガでは描かれていなかった。
比喩的に、溺れそうになっているのは自分だと思っていたのに、現実的に、溺れていたのはアキラのほうだった。
顔を拭わせたまま、アキラがゆっくりと起き上がってきた。
息が荒い。
「んと……」
じっと見つめられて、なんと声をかけていいかわからなかった。
ミサが戸惑っていると、アキラも頬へ手を添えてきた。
「ん……、どうしたの?」
指先が耳下や顎のラインに触れてくる。
その手がジャマで、髪をかきあげることができない。
(もしかして、私の顔にも、なにか付いてる!?)
そんな危惧がミサを襲った。
意識と一緒に、ナニかも飛ばしてしまったのだろうか。
確かに、最後のほう、スゴい音が立っていたような気がする。
枕カバーを自分の顔にも押し当てようとした手をとらえられ、引き寄せられた。
「……すごく、うれしいです」
アキラが囁いた。
溺れそうになったのに?
だが、じっと見つめられ、顔の各所を撫でてくる指先のむつまじさを感じていくうち、杞憂であったことと、それから、彼を正面にしてまったく無防備な自分に気づいた。
「やっ……、ちょ、ちょっと!」
枕カバーをなげうって、アキラの目線へ手をかかげようとしたが、腕で妨げられた。
その手が髪に埋まり、撫でられると、そこからジーンとした和みが広がってくるものだから、顔を背けることもできなかった。