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こじらせてません
第3章 幽閉
「あうっ……」

触れただけで、また、腰が踊った。
照準を外されたアキラが、ミサの腰を抑えて仕切り直してくる。

開いた脚の間を注視していた視界が、暗やんだ。
目線を上げると、アキラが前傾してきていた。

「わ、ちょ……、んんっ!」そのまま圧を強めてくる。「あっ……、や、……はいるとき、どんな顔するのか、見ようとしてるでしょっ……」

言いがかったつもりだった。

「はい」
「……へあっ」

想定外の答えに、頓狂な声が漏れて、羞恥が上塗りされた。
顔を背けようとしたが、折しも頭が埋ずまってきて、髪を揺らして天を仰いでしまった。

「……み、見ないで……」
「んっ、み……見たいです……」
「や、やだっ……、や、あっ……」

神威が行き道を広げてくる。

髪が揺れるし、肩はすくむし、腰がくねる。
今までで一番、心地いいが、一番、恥ずかしい。

「ミ、ミサさんは、……僕の顔、見るの嫌ですか?」

だが、切なそうな声で、そう言われ、

「そんなことない」

と即答していた。

アキラの顔を見るためには、顔を向けなければならない。

「……もう、ガマン、できません」
「はっ……、ん、……お、おくまで、はいったら……いいよ」
「ミサさんっ」

神威が歩を速めた。
軟蓋を押される。

「あんっ……、ア、アキラ、くん……、す、すごく、ヤラしい、顔してる……」
「い……嫌ですか……?」
「ううん……、や、やじゃない……」

神威が少し退いたが、すぐさま戻ってきた。
つまり突かれた。

「はっ……」

脳効率が落ちてくる。

これまでは、アキラの視界を塞いでいたから、己の顔つきを気にすることなく、神威が貫いてきているところを見守りながら、巻き起こる悦楽に耽溺してきた。

しかし、彼の茹だった顔を見ながら、そして淫らに惚けているだろう顔を見られながら、神威が体の中を往来する肉感を味わうことで起こる愉悦は、これまでを大きく凌駕してきた。
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