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こじらせてません
第3章 幽閉
「やっ……、お、奥、……なんか、あ、あたる、とこ、いいっ……」
「ああっ、ミサさん、で、……る」

ミサが許可を下すと、神威が宣託を下した。
ほぼ同時に、ミサも頂をみたので、ひとりでに壁が彼を搾っていた。

(やっ……、す、すごいっ……)

強く抱きしめられて、強く抱きついた。
下腹の内部で、神威が暴れいるのがわかる。

収束するまで、ひたすら彼の鼓動を感じていた。

「す、すごい……きもちよかった……です」

やがて、コンドームの正しい使用法にしたがって、神威が退いていった。

(ん……)

直後から空虚をつかまされる体が、しきりに名残を惜しんでいる。

「きもちよかった?」
「はい……」
「……きもち、よかった?」
「はい……、すごく、しあわせ、です……」

「……」寝転んでいるから、髪を耳へかける意味はなく、代わりに両手で口を覆って声をこもらせた。「……きもち、よかった、の?」

「……?」

口から心臓が出そう。
そんなありがちな比喩が、体感されていた。

(ううっ……)

手で押さえていても、飛び出しそうだ。

「過去形なの?」
「え……」
「もう出さなくていい?」

どうせ心臓が飛び出すのなら、勇気を振り絞って、口元から外した手で自ら花を開かせてみせた。

「せっかく、アイマスク、取ったのに」
「……。あの……、もっと、したいです」
「いいよ。……つぎは、もうちょっと……、頑張って。……もうすこし、その、……長く、したい」

まもなく、新たな薄皮を装着した神威が、満開の花園を愛でにきた。




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