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こじらせてません
第3章 幽閉
6
いったい何度交わっただろう。
ゴミ箱をひっくり返して、結われたコンドームを数えれば、正確な数字が把握できる。だが自分を包む満足度は回数で測れるものではないし、ロマンチシズムは、具体的数値を必要としない。
アキラを正しくしつけるためには、すべての発憤を、この自分が満たしてやる必要があった。
(すごかったな……)
改めて、ミサは男性ではないから、思春期における牡の渇求がいかばかりか、体感したことがなかった。正直、予想以上の熱望だったと言わざるをえない。
(毎日、出さないと、溜まっちゃうよね。こっち体がもつかな)
ペットを飼うって大変だ、と実感した。
一人暮らしの汗蒸した寝室のベッドに二人で寝転び、お互いが放った匂いを吸いこみながら、まんざらでもなくニヤついていても、もう一人はスヤスヤと眠って気づいていないのだから、誰に迷惑をかけるわけでもなく、幸福感にひたることができた。
(ベッドシーツ、買おう。……洗濯がおいつかない)
ミサはスマホを開いた。
アキラは制服と、学校指定のカバンしか持ってきていないのだから、生活をするにあたって必要なものは数多くある。
シーツより優先されるべきだった。
だが、それは彼が起きてから、二人でむつみあいながら選ぶ。
想像しただけで、胸が甘く溶解しそうだった。
(あ……)
見たことがない数の通知バッジが表示されていた。
質問サイトへの投稿に対する、リプライだった。
『長文創作乙w』
『ネタ盛りすぎ。おなかいっぱい』
『おまえ、平日の日中から、こんなことしてないで外に出ろよ。現実の女とちゃんとしゃべるんだぞwww』
だいたい、そんな回答が並んでいた。
中にはもっと言葉を選ばず、ミサの人格を勝手に想像して、勝手な解釈を行い、勝手な侮蔑を下しているものもあった。
もともと、投稿を記述しているときから、このようなリプライは予想していた。特に恋愛についてのカテゴリでは、どんな質問に対しても必ず何件かは侮蔑が返されていたから、なおのことだった。
いったい何度交わっただろう。
ゴミ箱をひっくり返して、結われたコンドームを数えれば、正確な数字が把握できる。だが自分を包む満足度は回数で測れるものではないし、ロマンチシズムは、具体的数値を必要としない。
アキラを正しくしつけるためには、すべての発憤を、この自分が満たしてやる必要があった。
(すごかったな……)
改めて、ミサは男性ではないから、思春期における牡の渇求がいかばかりか、体感したことがなかった。正直、予想以上の熱望だったと言わざるをえない。
(毎日、出さないと、溜まっちゃうよね。こっち体がもつかな)
ペットを飼うって大変だ、と実感した。
一人暮らしの汗蒸した寝室のベッドに二人で寝転び、お互いが放った匂いを吸いこみながら、まんざらでもなくニヤついていても、もう一人はスヤスヤと眠って気づいていないのだから、誰に迷惑をかけるわけでもなく、幸福感にひたることができた。
(ベッドシーツ、買おう。……洗濯がおいつかない)
ミサはスマホを開いた。
アキラは制服と、学校指定のカバンしか持ってきていないのだから、生活をするにあたって必要なものは数多くある。
シーツより優先されるべきだった。
だが、それは彼が起きてから、二人でむつみあいながら選ぶ。
想像しただけで、胸が甘く溶解しそうだった。
(あ……)
見たことがない数の通知バッジが表示されていた。
質問サイトへの投稿に対する、リプライだった。
『長文創作乙w』
『ネタ盛りすぎ。おなかいっぱい』
『おまえ、平日の日中から、こんなことしてないで外に出ろよ。現実の女とちゃんとしゃべるんだぞwww』
だいたい、そんな回答が並んでいた。
中にはもっと言葉を選ばず、ミサの人格を勝手に想像して、勝手な解釈を行い、勝手な侮蔑を下しているものもあった。
もともと、投稿を記述しているときから、このようなリプライは予想していた。特に恋愛についてのカテゴリでは、どんな質問に対しても必ず何件かは侮蔑が返されていたから、なおのことだった。