パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第3章 幽閉

しかしいかなる言葉も、相手の意表を突かなければ、侮りにも蔑みにも昇華されないものだ。

投げつける側が、個別具体的な人格を認知してもらえないままに、相手の予想を上回る侮りや蔑みを投げつけることは、もっともらしい回答を下すことよりも、ずっと難しいと考えられた。

省略表示を見ているだけでも、侮蔑に長けた人物はいなさそうだった。しかしふと、長々と記載されており、白背景に黒字が際立っていたから、目を引くものがひとつあった。

『ネタだと思いますが、マジレスします。
あなたのやっていることは、犯罪になる恐れがあります。
＞　Ａくんは、今年１８歳になる
この記述から、Ａくんはまだ１７歳だということになります。したがって、児童福祉法、青少年保護育成条例の対象となります。（１８歳未満が女でも男でも関係ありませんよ！念のため）
また、記述はありませんが、もしあなたがＡくんへお小遣いをあげたり、プレゼントなどをしているのであれば、児童買春・児童ポルノ禁止法違反に問われる可能性もあります。
よく、この手の質問が投稿されますが、「真剣な交際の場合は罰せられない」という回答を目にします。しかし現実では、普通の大人どうしの恋愛では当たり前の行為であっても、青少年が相手であれば、「淫らな行為へ誘導した」とみなされて、立件された事案もあるのです。
また、あなたはＡくんを家族から引き離して、自宅へ住まわせるつもりのようですが、刑法で禁止されている「わいせつ目的略取・誘拐」に該当する可能性もあります。これは……』

ミサは途中で読むのをやめた。

これは問いに対する回答ではなく、構造上の問題点の指摘にすぎなかった。

なんとなく、このリプライの投稿者は男性であるように思われた。経験上、物事を構造化し、欠陥を見出したがるのは男性に多かったから、そう憶測した。

構造上の問題点を指摘することで、付議された問題そのものを非問題化しようとする試みである。