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こじらせてません
第3章 幽閉
「ね、ア、アキラくん、あ、あの……」
「……イッてください」
「うああっ」

幸いタ行ダ行はなかったが、不世出の少年から、慈しみに満ちた愛撫を施され、しかも耳元で直裁に言われて震撼してしまった。

一回り年上の女らしい泰然さもなく、ただただ翻弄されている……。
その様子を間近で見られている……。
また、股間から、すごい音がたった……。

「な、なんかね、なんか……」
「うん」

何の「うん」だかわからない上に、指を緩めてはくれなかった。

「汚れ……、いくん……、シーツ……、れそっ、……ああっ!」語韻も語順も乱れている中、「やんっ!!」

アキラが、背中にキスをしてきた。

ずっと憧れつづけてきたことだった。
いつか、アキラにしてもらおうと思っていた。

彼のほうから、自主的にしてくれた。

ほんの一度つつかれただけで、もう何もこらえる気になれず、弓反りのまま身を委ねた。

大声をあげてしまうかと思ったが、なにも聞こえなかった。
口を開閉している。だが、声が音にはならなかった。

代わりに、股間から別の音が聞こえてきた。

マンガでは、極限の快楽を得た女性登場人物が、開脚した中心を覆ったモワモワから、しぶきを飛び散らせていた。コマを縦断するように「プシャアァァァ」という擬音が付されていた。

直前に感じた軽い疼痛は、やはり、その予兆だったのだ。音は異なったが、派手にしぶいたことはわかった。

「あっ……、あうぁ……」

朦朧としていたミサだったが、アキラが指を埋めたまま、背中へキスを施してくると、唇が触れるたびに、喘鳴を漏らした。

「きもち、いい、ですか……」
「ん……、はっ……、うん……、すご、い」
「もっとして、いいですか」

もっとされると、もっと貪婪になりそうだった。

下腹に、新たな疼痛が湧き起こっている。指が動けば、また、しぶいてしまうだろう。

もうきっと、シーツはズブ濡れだ。
必ず、買うから――

「もっと、……したい、の?」
「はい……」
「もっと、して、いいよ。……いっぱいぃ、い、ぃぃ、んあっ!」

背中だけではない。
最奥の壁際も弱点だと、ペットに知られてしまったかもしれない。




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