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こじらせてません
第3章 幽閉
7
(ぐむむむむむ……)
安原からメッセージが返ってきた。
『あー、俺、中高と全寮制だったから、まったくもらってなかった』
大根役者な上に、役立たずだった。
突然唸れば、隣にいるアキラは気味悪がるだろう……いや、彼女が唸っているのだから、気味悪がるのではなく、心配してほしい。
だが、ミサは思念の中で唸っていたので、アキラが鳥肌を立てたり、顔を曇らせたりはしなかったのも、仕方なかった。
アキラとの生活は、発注したシーツがすぐに届けられたこともあり、順調に進んでいた。
毎日、「仲良く」している。
仲良くしすぎているような気もするが、アキラはミサの彼氏であり、ミサはアキラの彼女である。そして、アキラはミサのペットであり、ミサはアキラのあるじである。ペットの能動的行動を、あるじは正しくコントロールした結果、シーツは順調に、毎日洗濯・乾燥されていた。
正しい制御と行動が保たれている証左であり、仲良くしすぎることで支障をきたすことは、何一つないのだった。
一点気になることといえば、線の細い少年にしては、漲りがハンパではない。「思春期だから」というひとことでは、片付けられないほど熱烈だ。
絶倫。
不世出のルックスと、この言葉は結びつきがたかった。
だがよくよく調べてみると、もともとは「たぐいまれなる」といった、単に程度の高さを表す語だった。精力と一義に結びつくものではない。しかし、いくら辞書にそう書かれているといっても、日常会話においては、「絶倫」は精力が強い意であるし、ミサもまた、そう捉えてきた。
つまり、辞書的な意味でも、通俗的な意味でも、アキラは絶倫に間違いなかった。
毎日、夜遅くまで、ともすれば早朝と言える時間まで、仲良くしているのだから、寝不足が続いていた。
ソファに美しく腰掛け、テーブルに置いたノートパソコンを操作していた。その隣で、アキラは静かに本を読んでいる。先ほど、コーヒーを煎れてくれた。
(ぐむむむむむ……)
安原からメッセージが返ってきた。
『あー、俺、中高と全寮制だったから、まったくもらってなかった』
大根役者な上に、役立たずだった。
突然唸れば、隣にいるアキラは気味悪がるだろう……いや、彼女が唸っているのだから、気味悪がるのではなく、心配してほしい。
だが、ミサは思念の中で唸っていたので、アキラが鳥肌を立てたり、顔を曇らせたりはしなかったのも、仕方なかった。
アキラとの生活は、発注したシーツがすぐに届けられたこともあり、順調に進んでいた。
毎日、「仲良く」している。
仲良くしすぎているような気もするが、アキラはミサの彼氏であり、ミサはアキラの彼女である。そして、アキラはミサのペットであり、ミサはアキラのあるじである。ペットの能動的行動を、あるじは正しくコントロールした結果、シーツは順調に、毎日洗濯・乾燥されていた。
正しい制御と行動が保たれている証左であり、仲良くしすぎることで支障をきたすことは、何一つないのだった。
一点気になることといえば、線の細い少年にしては、漲りがハンパではない。「思春期だから」というひとことでは、片付けられないほど熱烈だ。
絶倫。
不世出のルックスと、この言葉は結びつきがたかった。
だがよくよく調べてみると、もともとは「たぐいまれなる」といった、単に程度の高さを表す語だった。精力と一義に結びつくものではない。しかし、いくら辞書にそう書かれているといっても、日常会話においては、「絶倫」は精力が強い意であるし、ミサもまた、そう捉えてきた。
つまり、辞書的な意味でも、通俗的な意味でも、アキラは絶倫に間違いなかった。
毎日、夜遅くまで、ともすれば早朝と言える時間まで、仲良くしているのだから、寝不足が続いていた。
ソファに美しく腰掛け、テーブルに置いたノートパソコンを操作していた。その隣で、アキラは静かに本を読んでいる。先ほど、コーヒーを煎れてくれた。