この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
こじらせてません
第3章 幽閉
昼食代までも、おこづかいから拠出しているのか、と、ずっと母親に弁当を作ってもらっていた自分が恥ずかしくなってきた。
そして焦った。
ミサは、アキラにおこづかいを渡していなかった。
ペットに種は関係ない。
また、ペットにおこづかいを渡している飼い主は、調査してみなければわからないし、調査するすべもないが、おそらくはいないだろう。
生活必需品については、何でも言ってもらっていいし、今日までに数々取り揃えてきた。嗜好品についても、できるかぎり応えてやるつもりでいる。
だがアキラの種は人間であり、人間であるからには、人間社会の消費活動に組み込まれているのだ。
まことにウカツだった。
では、いったい、いくらくらいが妥当なのだろう。
だからミサは、「男子高校生が化粧品にかけることができる金額はいくらくらいかを知りたい」という、もっともらしい理屈をつけて、『高校のとき、おこづかいいくらもらってた?』というメッセージを安原へ投げたのだった。
そして、その回答が実に役立たずだった。いっぽうで、この調査では当然、「1か月のおこづかいの金額」についても質問してくれていた。
(月五千円……)
悩ましい数字だった。
金額的に辛い、という意味ではない。収入的にも、気持ち的にも、まったく支障はない。
正確には、男子高校生の平均は5,361円。中央値と最瀕値が5,000円だった。性別、家族構成、兄弟構成、地域、都市の規模、学校規模……いずれを見てもそう変わらない。
だが、データ上は「十万円以上」と答えた子も、少数ではあるが、いた。一万円以上を足しこむと、全体の10%を超える。
十人に一人は、平均の倍額以上をもらっているのだ。
月十万円と言われると、収入的にはまったく支障はないわけではないが致命的ではなく、気持ち的にも望むなら叶えてやりたいと思えるが、しつけ的にどうなのだ、という懸念が湧いた。
金を持ちすぎると、ろくなことがない、という実例は、世の中に枚挙にいとまがない。特に男性の場合……「悪だくみ」が心配になる。
そして焦った。
ミサは、アキラにおこづかいを渡していなかった。
ペットに種は関係ない。
また、ペットにおこづかいを渡している飼い主は、調査してみなければわからないし、調査するすべもないが、おそらくはいないだろう。
生活必需品については、何でも言ってもらっていいし、今日までに数々取り揃えてきた。嗜好品についても、できるかぎり応えてやるつもりでいる。
だがアキラの種は人間であり、人間であるからには、人間社会の消費活動に組み込まれているのだ。
まことにウカツだった。
では、いったい、いくらくらいが妥当なのだろう。
だからミサは、「男子高校生が化粧品にかけることができる金額はいくらくらいかを知りたい」という、もっともらしい理屈をつけて、『高校のとき、おこづかいいくらもらってた?』というメッセージを安原へ投げたのだった。
そして、その回答が実に役立たずだった。いっぽうで、この調査では当然、「1か月のおこづかいの金額」についても質問してくれていた。
(月五千円……)
悩ましい数字だった。
金額的に辛い、という意味ではない。収入的にも、気持ち的にも、まったく支障はない。
正確には、男子高校生の平均は5,361円。中央値と最瀕値が5,000円だった。性別、家族構成、兄弟構成、地域、都市の規模、学校規模……いずれを見てもそう変わらない。
だが、データ上は「十万円以上」と答えた子も、少数ではあるが、いた。一万円以上を足しこむと、全体の10%を超える。
十人に一人は、平均の倍額以上をもらっているのだ。
月十万円と言われると、収入的にはまったく支障はないわけではないが致命的ではなく、気持ち的にも望むなら叶えてやりたいと思えるが、しつけ的にどうなのだ、という懸念が湧いた。
金を持ちすぎると、ろくなことがない、という実例は、世の中に枚挙にいとまがない。特に男性の場合……「悪だくみ」が心配になる。