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こじらせてません
第3章 幽閉
それをどうやって彼に説明しようかと思案していると、

「あらー。お仲がよろしいことで」

と、まさにコワさの主体が現れた。

「なんだよ、それ」

安原が顔を作り直して、理絵子へ笑いかける。さすがは営業だ。

理絵子は女らしさを誇張した歩き方でヒールを鳴らし、ミサたちのほうへやってくると、笑顔で言った。

「なに話してたの? 私の話?」

いくら理絵子とて、社内で交わされている会話が、すべて自分を話題にしているとは思っていないだろう。無作為に遭遇したにもかかわらず、おそろしい洞察力だった。

「……」

さすがと思ったばかりなのに、安原は詰まった。
笑顔勝負では、理絵子に軍配が上がった。圧勝劇だ。

理絵子はそのままテーブルに斜めに腰掛け、安原の肩をポンと叩いている。

自分が一番艶かしく見える体のひねり具合と、ホワイトのスカートから覗かせた誇らしげな脚を絶妙な視角で安原に見せ、

「私もバカじゃないからね? 安原クンが何の話してたかわかっちゃうの」

と、色鮮やかなネイルの爪先を、ワイシャツの襟へとなぞらせた。

会社でそんな態度に出るのはいかがなものかと思ったが、これが、まあ、様になっている。

安原はタジタジだった……と言うのも生ぬるいほど、完全に呑まれていた。

「で? チーフ様にコソコソ何のご相談?」
「いや、せっかくだから、高橋も誘おうかと思ってたんだ」
「ふーん」

理絵子がチラリと見てきた。

てっきり怒るもの……と思っていたが、違った。
クスリと笑っただけだった。

「チーフ様も来るの?」
「え、あ……、ううん。ちょっと今日は用事があって」
「用事、ね」

安原の顔が救難要請を上げていたが、ちょっと火の手が強すぎて救けに行けない。

「そっかー。でも、いいじゃん。チーフ様も来なよ」

予想外の理絵子の答えに、思わず「えっ」という顔を隠し忘れていると、

「彼氏も連れてきたら?」

と付け加えられた。

「へ、へえっ……高橋、婚約者、帰ってきてるんだ?」

会社だぞ、と振り払えばいいのに、襟をなぞられ続けている安原が、こちらへ延焼させようとしてくる。

しかし、なぜに突然、理絵子はそんなことを言い出したのだろう?
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