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こじらせてません
第4章 拘繋


ペットとは、交換不能な価値をもたらしてくれる存在であり、その能動的行動を正しくコントロールするためには、しつけが必要となる。

この「行動のコントロール」とやらを、もう少しブレークダウンしてみると、大きくわけてふたつにとらえることができる、とミサは思った。

一つは、問題行動の抑止だ。
ワンちゃんならば、迷惑な場所に排泄しないようにしつける、ということだ。

もう一つは、課題行動の克服である。
ワンちゃんならば、許可された場所に排泄するようにしつける、ということだ。

要は、「させないこと」と、「させること」のふたつを指している。

となると、ここまでのアキラのしつけは、問題行動の抑止に偏重していた、と言わざるをえなかった。

直接的には、「ペットをとしてしつける」という成句を導出したときに想像したシーンが問題行動の抑止であったから、このような認識不足を招いたわけである。だが、誰に言い訳するわけでもないものの、そう思い至ったのも無理からぬことだった、とミサは自分を慰めた。

というのも、しつけにおけるこの二側面は、「べからず」と「べし」のことを言っており、校則や法律・条例などの規則に通じるものがある。

これまでの人生で最初に触れた「べし・べからず集」は、祖母が教えてくれた十戒だった。改めて拝覧してみると、「べし」よりも「べからず」の方が多い。

中高時代での校則も同様だ。

化粧をしてはならない。
よって、化粧をすれば校則違反だった。

盗撮をしてはならない。
よって、盗撮をすれば条例違反である。

姦淫してはならない。
あのハゲに罪を自覚せしめたのは、この禁止条項だ。

誰にとっても、してはいけないこと、してほしくないことを挙げるのはたやすく、ミサもまた例に漏れず、アキラに対して無意識下で行なってしまっていたのだった。
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