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こじらせてません
第4章 拘繋
「そんなに酔ってないよ?」
「いや、だから、これ、なんかおかしいから……」
「おかしくない」

いかなる目的があるにせよ、トイレの個室は、決して二人で利用するところではないのだ。
理絵子も冷静ならば、わかったはずだ。

したがって、「はて、これはおかしいな」とわからないのは、理絵子は酔っ払っているということであり、つまり彼女の二つの発言は符合しないということだ。

まず、理絵子をしっかりと立たせる。
次に、理絵子を引き剥がす。
次に、理絵子を外へ連れ出す。
次に、理絵子を隣の個室へといざなう。
最後に、理絵子へ「ごゆっくり」と一声かけ、ドアを閉める。

だいたい、こんな手順だろうか。

「ね、理絵子、……よい」

脇の下に両手を回し、地面を踏ん張らせようと、「しょ」まで言おうとしたとき、

(……わ)

第一手順で、はやつまづいた。

足元もつまづいた。

ミサが持ち上げようとすると、理絵子の体が浮き上がってきた。途中からは、力を入れずとも上昇を続けた。つまり、彼女の意思である。

そしてそのまま、理絵子は背伸びをするまでせり上がり、ミサへと衝突した。

「ンッ……、あん」

鼻にかかった、可愛らしい声を漏らしている。
理絵子がこのような声を出すだなんて、本当に意外だった。

「っ……、ちょっ」

意外がっている場合ではなかった。

体を押し、相対的にミサが引いているのと同等の効果を得て、理絵子を退けようとしたが、すぐさま追いかけてきた。

ふたたび、である――唇が押し当てられた。
ただ押し当てられるだけならばよかったが――いやよくないが――なににせよ唇がはんできた。

「ムッ……、ちょ、りえ……うっ」
「ン……、あふ……ンゥ……」

換気の唸り音くらいしかない場所だから、ピチャピチャとした音が目立った。

(……なに、これ……)

終業後、エントランスで待ち合わせてから随分時間が経っている。そもそも、昼間にもカフェスペースでも会ったではないか。

これまで、いくつもの会話を交わしたはずだ。

したがって、これはその1ではない――ん? つまりどういうことだろうか。
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