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こじらせてません
第4章 拘繋
長続きしない原因は、きっとそこではなく、こちらのせいにしないでほしかったが、
「……婚約者気にして、八年も、我慢したんだもん。別れたんなら、もう、我慢していられない!」
「で、でも、私ね、あ、マイノリティを否定する、っていう意味じゃなくて、だよ? そういう気持ちは、正直、よくわからない、っていうか――」
「私、ミサが好きなんだけど。こんな男が、とか、こんな女が、とかじゃなくて、ミサが」
「う……」
どうやら理絵子は真剣であったし、吐露に偽りは見当たらなかった。
「……でもね、私、いまアキラくんと、つきあってる、から」
だから誠実に対応するならば、性別がどうのこうのとかではなく、自分と、アキラと、理絵子とをとりまく相対性において、説明するべきだと思った。
それぞれの属性が何であれ、不義はいけないものだからだ。
「別れて」
「で、できません」
「ううっ」
ダンッと理絵子は床を踏み鳴らした。
地団駄と名付けられた身体言語だった。
「……あんなお子様のどこがいいの? 私より」
相対性のもとに扱おうとした矢先に比較を迫られたが、
「比べられない……」
したことなかったものだから、思わずそう答えると、ついに理絵子はポロポロと涙をこぼした。
「比べられないくらい、なんだ」
間違って伝わってしまって、訂正しようと、
「あの、理絵子に魅力がない、って言ってるわけじゃなくてね――」
「そんなに、スゴいの? アキラくん」
「ん? ……う、うん。ぜ、絶倫……」
言ってから、しまった、と思った。
性的にとどまらない魅力の話をしたつもりだったが、当然、世間一般的に性的にとどまる所記で伝わったに違いなかった。
「そんなに、ヤリまくってんの?」
「ふ、ふつうに……」
「ふつうに、毎日毎日、ヤッてるんだ? こ、高校生だもんね。いっぱい、いっぱいヤろうしてくるんでしょ。だから、ヤラせてあげてるんだ?」
「ん、んー、そうかもしれないけど……、あのね、いまそういう話は……」
「ヤラしい! ヤリまくりじゃん!」
「……婚約者気にして、八年も、我慢したんだもん。別れたんなら、もう、我慢していられない!」
「で、でも、私ね、あ、マイノリティを否定する、っていう意味じゃなくて、だよ? そういう気持ちは、正直、よくわからない、っていうか――」
「私、ミサが好きなんだけど。こんな男が、とか、こんな女が、とかじゃなくて、ミサが」
「う……」
どうやら理絵子は真剣であったし、吐露に偽りは見当たらなかった。
「……でもね、私、いまアキラくんと、つきあってる、から」
だから誠実に対応するならば、性別がどうのこうのとかではなく、自分と、アキラと、理絵子とをとりまく相対性において、説明するべきだと思った。
それぞれの属性が何であれ、不義はいけないものだからだ。
「別れて」
「で、できません」
「ううっ」
ダンッと理絵子は床を踏み鳴らした。
地団駄と名付けられた身体言語だった。
「……あんなお子様のどこがいいの? 私より」
相対性のもとに扱おうとした矢先に比較を迫られたが、
「比べられない……」
したことなかったものだから、思わずそう答えると、ついに理絵子はポロポロと涙をこぼした。
「比べられないくらい、なんだ」
間違って伝わってしまって、訂正しようと、
「あの、理絵子に魅力がない、って言ってるわけじゃなくてね――」
「そんなに、スゴいの? アキラくん」
「ん? ……う、うん。ぜ、絶倫……」
言ってから、しまった、と思った。
性的にとどまらない魅力の話をしたつもりだったが、当然、世間一般的に性的にとどまる所記で伝わったに違いなかった。
「そんなに、ヤリまくってんの?」
「ふ、ふつうに……」
「ふつうに、毎日毎日、ヤッてるんだ? こ、高校生だもんね。いっぱい、いっぱいヤろうしてくるんでしょ。だから、ヤラせてあげてるんだ?」
「ん、んー、そうかもしれないけど……、あのね、いまそういう話は……」
「ヤラしい! ヤリまくりじゃん!」