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こじらせてません
第4章 拘繋
(んんー……!)

いったん唇を外し、これからの予定を尋ねようと思ったがちょうど、背中をいつくしんでいた指先がブラホックをとらえた。

もう少し下着姿を堪能してほしかったが、自分ではぬかりがないつもりでも、実は黒はあまり好きではなかったのだろうか。

そんな落胆は、上躯のいましめがゆるんだ瞬間に、更なる羞恥で塗りつぶされた。

アキラの指が肩紐を肘まで落としてきた。
自明のことながら、膨らみからカップは離れる。

拳を握り、脇を絞めて腕を畳めば拒絶できる。
だが、したいようにしなさい、と言った手前、したいようにしているアキラへ手向かうことはできなかった。

バストの頂点が充血していることは、乳暈に感じる焦燥で知れていた。
見ただけでもわかるだろう。

ある程度のマザコン趣味は許さねばなるまい。
意を決して、まぶたを閉じ、彼の唇が乳首へ及んでくる身構えを整えていると、

(んーっ!)

ミサは瞑目していながら瞠目した。

背中の手が離されたかと思ったら、ショーツの両サイドがとらえられた。

限界である。

「……あのっ」

唇を外して、間近のアキラを見つめた。

「えっと」

呼びかけた手前、会話のボールは自分が握っている。
ふと見ると、思わず片手が下腹部を抑えていた。

「ス……」
「好きです。ミサさん」
「……ン」

間近だったために、唇を吸われた。
乾いていると腫れて、荒れてしまいそうなので、湿音を立てて唾液腺をはたらかせた……というのはタテマエで、視界いっぱいを美貌で覆われて、恋情を伝えられた日には、吸いつかずにはいられなかった。

キスに呆けそうになっていると、スルリとヒップをショーツが撫でた。

「んっ……、ね、ス……」

もう一度言うと、アキラが顔を離した。近い。

「ス、ス……、ストッキング残し?」
「……ストッキングも、脱ぎたいですか?」
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