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こじらせてません
第1章 捕縛
女子学生たちを早いうちに囲ったところで、数年後の市場で優位性がいかほど確保されるだろうか、と思った。

理絵子にとっては、売上と利益の拡大が第一の目的ではない。CSR活動を外部にアピールするというのが彼女の任務であり、当件の発端である。

その任務の成功を通じて、広報部ないしは社内における存在感が大きくなり、およびそのことによって彼女がより華々しく輝くのだろう点については、結果であって目的ではない。たとえ彼女自身は目的意識を持っているとしても、それは彼女自身が抱える課題だった。

ミサは企画開発という職務上、トップライン拡大については、理絵子よりも直結する位置にいる。

どこも調査していないと思われるが、仮に、安原に「なんで化粧をするの?」と質問したとしたら、「え? 俺、化粧してないけど?」と答えるだろう。

見ればわかる。
スキンケアはしているかもしれないが、メイクはしていない。彼とて化粧品会社の社員であるにもかかわらず、だ。

化粧は美への希求心を増進させるツールであって、要件ではない。化粧をしていない安原を、美への希求心がない、と断ずるのは間違いである。

肉体構造上の障壁はない。男性でも、女性用化粧品を用いて化粧をする人はいる。
ということは、美の希求心に老若がないのと同じく、性差はない。
男性が美の希求心を増進するための、専用化されたツールがないだけなのだ。

そして、若年層の間では、スキンケアが常套になりつつある。曖昧模糊としながら存在じたいは認めざるをえない、「風潮」というものの、風の向き、潮の向きが変わりつつある。

というわけで、ミサは「男子生徒」を対象してはどうか、と進言した。理絵子が理由の一つにあげていた、「将来のパイの確保」に照らせば、血みどろの海ではなく、青く透明な海を見つけることができるかもしれないと思ったからだった。

理絵子はまず、ポカンとした。次に、理由を並べ始めたミサを遮り、「わかった」と言った。彼女の抱える目的と課題に照らして、面倒くさくなったのだろう。

まあ、ちょっくらなら、やってみてもいいんじゃないの? 「高橋さんのアイディア」としてプロジェクトに組み込んで、失敗または成果なしなら、それはそれで面白いし──端々からそんなニオイを醸し、ついでに裏では「ちょっと聞いてよー」とほうぼうに吹聴していたようだ。
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