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こじらせてません
第1章 捕縛
なにより結論に関しては、ミサも同意であり、疼いていたためだ。
物理的な位置としては胸が甘痛い。心臓あたりの感覚神経が敏しく働いている。いっぽう、下腹部の、女性特有の器官近くには電荷の変位は認められない。
しかしながら、この情動は、体性神経ではなく自律神経が作用しているものと考えられた。「子宮が疼く」という表現は、生理学的は不的確だが、メタファーとすれば実に的を得ている。
本来「疼く」とは、痛みを伴う感慨だ。
ズキズキする、という擬態語があてられる。
部下たちが疼痛を感じていたかといえば、違うだろう。もしそうならば、もっと顔をしかめてしかるべきだ。彼女たちは楽しそうだった。読みの通りに解釈するのが穏当だろう。
ウズウズする。そういうことだ。
女性特有の器官がウズウズする。
すなわち、好意的にもどかしい。
なにがしかの行為をしたくて、いてもたってもいられないさまだ。
女性特有の器官が。
この器官の役割は一つだけだ。命を育み、この世に誕生させる直前まで、かくまう場所だ。由美子がそれを体現していた。
命を育みたくてウズウズする。アキラを見ていると。
表現に若干のしこりが残る。
きっと、もう一階層のメタファーが含まれている。
命を育み始めるに至る行為をしたくて、いてもたってもいられない。アキラを見ていると。
しこりは消えた。
まったく同感である。
蒸した身体を横たえて、快楽の引き波にたゆとうていると、心の底から実感できた。写真を得てからは、情動どころか、衝動が抑えられない。黒居は圏外、安原は失敗だったのに、個別具体的なアキラは、毎日登場するようになった。
決心した10.8%からの脱却の件については……正確にはまだ誕生日を迎えていないので20%からの脱却だが、そんなことはどうでもいい、進捗が滞っていた。
日中は壁の中のアキラをチラ見しているし、夜は思念の中のアキラにかまけていることが主な理由だった。
当件は達成するにあたり、細心の注意を要する。
この所属群の決定因子には不可逆性がある。そして群の移動の契機となるイベントは、長期記憶に書き込まれることは想像にかたくない。
要は、相手は誰でもいいわけではない。
物理的な位置としては胸が甘痛い。心臓あたりの感覚神経が敏しく働いている。いっぽう、下腹部の、女性特有の器官近くには電荷の変位は認められない。
しかしながら、この情動は、体性神経ではなく自律神経が作用しているものと考えられた。「子宮が疼く」という表現は、生理学的は不的確だが、メタファーとすれば実に的を得ている。
本来「疼く」とは、痛みを伴う感慨だ。
ズキズキする、という擬態語があてられる。
部下たちが疼痛を感じていたかといえば、違うだろう。もしそうならば、もっと顔をしかめてしかるべきだ。彼女たちは楽しそうだった。読みの通りに解釈するのが穏当だろう。
ウズウズする。そういうことだ。
女性特有の器官がウズウズする。
すなわち、好意的にもどかしい。
なにがしかの行為をしたくて、いてもたってもいられないさまだ。
女性特有の器官が。
この器官の役割は一つだけだ。命を育み、この世に誕生させる直前まで、かくまう場所だ。由美子がそれを体現していた。
命を育みたくてウズウズする。アキラを見ていると。
表現に若干のしこりが残る。
きっと、もう一階層のメタファーが含まれている。
命を育み始めるに至る行為をしたくて、いてもたってもいられない。アキラを見ていると。
しこりは消えた。
まったく同感である。
蒸した身体を横たえて、快楽の引き波にたゆとうていると、心の底から実感できた。写真を得てからは、情動どころか、衝動が抑えられない。黒居は圏外、安原は失敗だったのに、個別具体的なアキラは、毎日登場するようになった。
決心した10.8%からの脱却の件については……正確にはまだ誕生日を迎えていないので20%からの脱却だが、そんなことはどうでもいい、進捗が滞っていた。
日中は壁の中のアキラをチラ見しているし、夜は思念の中のアキラにかまけていることが主な理由だった。
当件は達成するにあたり、細心の注意を要する。
この所属群の決定因子には不可逆性がある。そして群の移動の契機となるイベントは、長期記憶に書き込まれることは想像にかたくない。
要は、相手は誰でもいいわけではない。