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こじらせてません
第1章 捕縛
ミサは何気なさを装って、膝頭が覗いたタイトスカートの裾を引いた。大して伸びるわけではないから、手を離してもあいかわらず膝頭が見えている。

その所作を行っているあいだも、アキラの顔をずっと見ていた。

最初はアキラも、こちらを向いて話していたが、あまりにもミサがずっと顔を見ているものだから、時折目をそらし始めた。

そしてミサが裾を引いた時、そこを一瞥した。
そして僅かだが、紅潮したように見えた。

「ま、そっか。……そうだよね」

アキラの回答を待たず、ミサは彼の側の髪をかきあげて、耳にかけた。その手をテーブルに置き、爪先で軽く天板のガラスを叩く。

髪が長くなってからというもの、大して邪魔でもないのにかきあげるのは、クセだった。

戸惑っている時、うろたえている時、緊張している時、……ウズウズしている時、などなど。つまり多少なりとも余裕はない状態だ。

しかし今回は無意識のクセではなく、多少の意図が含まれていた。いつもより多少、大げさにかけ直した。多少ならず、ヘアフレグランスが鼻先に届いただろう。

「……ん?」
「え?」

ミサは唐突に、表情だけで、何事か、と問うた。アキラは意表を突かれたようだ。

「なんかさっきから、ちょっと、様子が変だな、って思って」
「そ、そうですか? べつに、なんでもないです」

アキラもまた、余裕を失っているように見えた。

それを確認したかった。
仕向けた通りに進んでいるのか。

マンガに限らず、映画にしてもドラマにしても、なんとなくの想像にしても、性愛を交わす手始めは、キスだ。

キスにも、いくつかあると思った。

その1、挨拶としてのキス。
その2、恋愛感情の確認としてのキス。
その3、その後セックスに至るキス。

その1は、手の甲へのキスに代表されるようなものだ。チークキスもここに含まれるだろう。

その2は、普遍的に恋人や夫婦がはからっているものだ。その3との違いが判別しづらいが、キスでとどまる点では、たとえば結婚式での誓いのキスも、これに該当するかもしれない。

目下めざしているのは、もちろん、その3だ。
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