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こじらせてません
第1章 捕縛
ミサの指先がシミの中心へ触れると、少し円を描いただけで、

「ふぁっ、あっ」

アキラが腰を浮かせた。

まったく嫌悪感はなかった。その粘液が何物か、わかっている。

「ミサ、さんっ……」

何物か知っていたから、何物かが滲みている理由もわかっており、そのことが大変に嬉しかったから、ミサはしばし時間を忘れて指腹の何物かのヌメりを堪能していた。

「……んー? なにか言った?」
「そ、そのっ……、あんまり、すると、で、出ちゃう……、よ」

さきほど言いかけたのは、ソレだったのか。
アイライナーには鈍感なクセに、ココはすごく敏感だ。

だが、お気に入りのマンガの中では、バリキャリ女は少年の精発を意のままにしていたから、

「えー、早い」

知ったようなことを言うと、

「ご、ごめ……、でも、きもち、よすぎて……」
「したことあるくせに」

知ったかぶりのバチがあたったのか、自分で言っておいて、アキラの可愛さに薄まりかけていた不条理な敗北感が再びミサにと襲いかかってきた。

何物が出てしまうのかも、よくわかっている。彼の煩悶を見ていると、自分の指先で、本当に彼が、その何物かを出してしまうのか、確かめたくなってくる。

「ミサさんにされると、その……、すごく、きもちよくて」

だがミサは、彼の一言でパッと手を離した。

(ダメだ)

継続できない、わけではなく、いっとき目的を見失いかけてい自身に対する反省の言だった。

「勝手に出さないで」
「で、でも……、ガ、ガマン……、できません」
「だめ。ガマン、するの」

ミサはブリーフに手をかけた。



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