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こじらせてません
第1章 捕縛
「たくさん」とはManyなのかMuchなのかわからなかったが、ともあれ彼に抱きしめられただけで、充分だった。

「もう、すぐに……、いいよね?」
「でも……、ミサさんも」

何が言いたいのかわかる。アイマスクをしてしてはショーツが見えないのだから仕方がないし、見なくてもいい。

「ううん、できるよ」

ミサが手を引き、今度はアキラは膝立ちになり、自らは仰向けに、体を入れ替える。正面から対峙すると、薄皮をかぶった神威が真上を向いて、時折、頭を振っていた。

『挿入するときは、足を大きく開いて、なるべく力を入れないようにしましょう』

近づいてくる。やはり、畏怖はあっても、恐怖はなかった。

(脱力、脱力……。……うひっ!)

誰かは知らない助言のとおりに、脚を大きく開いたが、角度に比例して心臓が強く打った。アキラが、ミサを踏んでしまわないように、手で前方を探りつつ更に距離を詰めてきた、その手が腰に触れる。ミサが今どこにいて、どの部位がどこにあるのかを確かめるために、撫でてくる。

一人暮らしの部屋に二人でいるが、一人は目隠しをしているのであるから、他人の目線はゼロになり、やはり迷惑は省みなくてもよいのであるが、開脚する羞恥を忘れさせるには至らなかった。

だいたいの位置関係がわかったのか、アキラは腰を前に進め、根元に手を添えて神威の向き先を倒した。

「……あ、……っ、……んっ!」

大声が出そうになって、自分の手で口を塞いだ。
自分で慰めるときにひときわ慈しむ、媚肉に潜んだ芯へ先端が触れると、脳が吹き飛びそうになった。位置関係の把握が足りないのか、何度もつつかれる。アイマスクをしているアキラの神威自身もまた、視野を持っていないため、先端の感触でミサの入口を探ってきた。

『力が入ると、なかなか挿入することができません。カレを信頼しましょう』

信頼していないわけではないし、力が入っているわけでもない。むしろ触れる度に、力が抜けて、脳がしびれる。

根本的な原因は、言うまでもなく、アキラがアイマスクをしているからに他ならなかった。

クリティカルポイントを迎えていた。
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