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こじらせてません
第1章 捕縛
ここでアキラのアイマスクを取り払い、自分が未経験であることを伝え、その前提で以後を進めて欲しいと委ねれば、経験者である彼がよろしく取り計らってくれるのかもしれない。
しかしミサは、初体験の心得を調べているさなか、自分の年代で未経験である者に対する、男性諸氏の所感を集めたものを見つけていた。
『男に相手にされて来なかったのかなぁ、と、ぶっちゃけ引きますね』
『ヤッちゃったら、結婚とか責任とか言われそう』
『めんどくせえな、ってなると思います。こっちは気持ちよくなりたいのに、色々気ぃ使わなきゃなんないじゃないっすか』
読んでいるだけで憤懣やるかたなかった。
こちらの事情を汲みもしない、身勝手な輩で、訊いた相手が悪かったのだ。そう断ずるのは簡単だが、アキラが事情を汲んでくれるという確証はなかった。アキラにそんなことを言われたら……いや、言われなくとも、そんな素振りを少しでも見せられたなら、他者承認欲求、自己承認欲求どころか、全てが粉砕される。立ち直れない。
「ア、アキラくん、……ここ」
開脚でさえ羞恥で胸が痛かったが、シーツに足裏をつき、片手を柔門へ添えると、指間を開き、腰を押し出して、迎えるべき場所を神威の先端へ押し当てた。
アキラが構え直した。
(あっ……、……は、はいって、くる、……すご)
神威が頭を埋めてくると、その存在感が、圧迫感としてミサへ伝えられてきた。
圧迫されれば苦しいはずなのに、体が拡げられるとミサの感受は逆にふれた。
恥ずかしいのに、進入してくる光景から目が離せなかった。畏怖が極まる。このまま、目的が果たされる瞬間を、触覚ではなく視覚で、明確に見届けることができるのではないか──
「ね、ねぇ……」脳が臨界を迎える前に、あらかじめ用意していた言葉を伝えた。「ゆ、ゆっくりね。……女の子は、ら、乱暴に扱ったら、いけないんだからね」
少年は、情熱に衝き動かされて、しゃにむになる危険性がある。だが、妙に芝居がかってしまった。いかにも借り物のような言い方になってしまって、もう少しセリフを工夫したほうがよかったかもと悔いたのも束の間、アキラが身を前へ倒し、唇を吸ってきた。
しかしミサは、初体験の心得を調べているさなか、自分の年代で未経験である者に対する、男性諸氏の所感を集めたものを見つけていた。
『男に相手にされて来なかったのかなぁ、と、ぶっちゃけ引きますね』
『ヤッちゃったら、結婚とか責任とか言われそう』
『めんどくせえな、ってなると思います。こっちは気持ちよくなりたいのに、色々気ぃ使わなきゃなんないじゃないっすか』
読んでいるだけで憤懣やるかたなかった。
こちらの事情を汲みもしない、身勝手な輩で、訊いた相手が悪かったのだ。そう断ずるのは簡単だが、アキラが事情を汲んでくれるという確証はなかった。アキラにそんなことを言われたら……いや、言われなくとも、そんな素振りを少しでも見せられたなら、他者承認欲求、自己承認欲求どころか、全てが粉砕される。立ち直れない。
「ア、アキラくん、……ここ」
開脚でさえ羞恥で胸が痛かったが、シーツに足裏をつき、片手を柔門へ添えると、指間を開き、腰を押し出して、迎えるべき場所を神威の先端へ押し当てた。
アキラが構え直した。
(あっ……、……は、はいって、くる、……すご)
神威が頭を埋めてくると、その存在感が、圧迫感としてミサへ伝えられてきた。
圧迫されれば苦しいはずなのに、体が拡げられるとミサの感受は逆にふれた。
恥ずかしいのに、進入してくる光景から目が離せなかった。畏怖が極まる。このまま、目的が果たされる瞬間を、触覚ではなく視覚で、明確に見届けることができるのではないか──
「ね、ねぇ……」脳が臨界を迎える前に、あらかじめ用意していた言葉を伝えた。「ゆ、ゆっくりね。……女の子は、ら、乱暴に扱ったら、いけないんだからね」
少年は、情熱に衝き動かされて、しゃにむになる危険性がある。だが、妙に芝居がかってしまった。いかにも借り物のような言い方になってしまって、もう少しセリフを工夫したほうがよかったかもと悔いたのも束の間、アキラが身を前へ倒し、唇を吸ってきた。