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こじらせてません
第2章 馴致
アキラが、「ウソをついていないこと」を確かめようとしているのか、「ウソをついていること」を確かめようとしているのか、よくわからなくなってきた。

そしていま、靴音が鳴った。
鳴ったことに気づいた。

GPSにもドローンにも期待できないとなれば、古典的手法に頼るしかなかった。

ならば、ツカツカと同じ靴音をずっと鳴らしてよいものだろうか。スニーカーにしたほうがよいのではないか。

そうなると、今日の服装には合わない。むしろ印象操作的に、普段絶対着なさそうな出で立ちに変えたほうがよいのではないか。

そうだ、髪を変えたほうがいい。印象操作をしても、うっかり耳元の髪をかきあげてしまったら、おやあれはもしや、ということになるかもしれない。事が事だけに、かきあげる可能性が高い。

かきあげることを心配するのならば、いっそ帽子にしてはどうだろうか。あと、マスクとサングラス。

ともあれ、最寄りで手に入りそうな店舗はどこか調べようとスマホを開いたところで、あっ、ともう一度、今度は精神的に立ち止まった。

用意周到を図っている自分に気づいた。

検索サイトで別の文言を入力して、ページ遷移した。

何年か前にニュースで聞いたことがあったが、改めて見てみると、2012年から、ストーカー事案の検挙状況は飛躍的に伸びていた。前年からほぼ倍増。2014年でまた伸び、それから横ばいだ。

凄惨な事件もあった。悲劇を未然に防ぐために、頑張ってくれているのだろう。相談件数も同様の傾向で飛躍的に伸びているから、「言い出す機会」の間口も広げてくれているのだろうか。

被害者の性別は89.3%が女性だ。加害者の85.7%が男性。

ストーカー規制法は、異性間のみを規制するものではないが、被害者の大半は女性であり、男性からこれを受けているということになる。

そして被害者の年齢は20代が35.1%で一位、30代が26.5%で二位、合わせて六割以上を占める。
自分の世代が一番被害にあっているとわかると、やはり強い憤りを感じる。

だが、自分のやろうとしていることは、いくら数字上は少数であっても、同じではないのか。群の大小と卑劣さは関係ない。

当然の躊躇があった。
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