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薔薇色に変えて
第7章 突然あたえられた二人だけの時間


夜。
食事を済ませた後、再びキッチンで料理を始めた。

作り置きできる惣菜をよく作ったりするが、たいていが休みの日。
月曜の夜に時間を割くことはあまりなかったのだが、
明日からの数日間、成沢さんと2人の朝食に自分の思いを添えたいと、
ささやかな手料理を持参しようと考えたのだ。

特に料理の腕に自信があるというわけではない。
ただ、成沢さんに喜んでもらいたい、それだけの単純な理由なのだ。
奥さんを亡くされてから一人で食事をするようになった成沢さんに、
少しでも思い出のまねごとを味わってもらいたい。
その気持ちだけで私はせっせと野菜をきざんだ。

彼のために、そして自分自身のために。
誰かのための心を込めた料理を作る。
そんな小さな幸せ擬きを、私も味わいたいのだ。



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