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薔薇色に変えて
第7章 突然あたえられた二人だけの時間
成沢さんも私と一緒のテーブルにつき、手を合わせてからフォークを取った。

「では遠慮なくいただきます」

美味しいですと一口食べた後で成沢さんは、一瞬動きを止めた。

「いいですね、一人じゃない朝食は。
 一緒に食べれくれる人がいるって、幸せなことです」

ほんのわずかな瞬間、愁いた表情を見せたが、
村山さんの気持ちわかります、とすぐに笑顔が開いた。

「もう十年近く毎朝おんなじ物を食べ続けてるから正直飽きてるけど・・
 ここでみんなで食べる朝食がいちばんだわ。
 あ、飽きてるって、マスターには言っちゃだめよ」

トーストを頬張ったばかりでしゃべれない成沢さんは、
膨らんだ頬で何度も頷いていた。



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