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薔薇色に変えて
第8章 想いのままに
7時を少し過ぎたところでお開きとなった。
社長とは店の前で別れ、私は一人会社に戻った。
その時でもう7時半はとっくに過ぎている。
膨大な量の仕事ではないにしても、10分で片付く物でもない。
私はあきらめた。
今日は間に合わない。
薔薇色に寄れない。
せっかく2人きりでおしゃべりできる最後の日なのに。
残念だ。
気分を沈ませながら、それでも淡々と仕事を進めた。
一つ済ませ、二つ済ませ、やっと全部が終わった時には
時計の針は9時をまわっていた。
・・もう完全にアウトね・・
壁の時計と腕時計を何度も見る。
どちらも同じ時刻をさしているのはわかっているが、
どうか間違っていてほしいなどと子供みたいな願いをしながら片づけをし、戸締りをした。