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薔薇色に変えて
第9章 薔薇色に変わる
さっきまでは小さくなっていた小此木さんも
大きく胸をつきだし自信たっぷりにコーヒーを出す。
その後を引き継いだ三枝さんが、
こういうのを亀の甲より年の功っていうんだよと付け足した。
「成沢さんがね、嬉しそうに話してくれたんだ。良い時間をいただいたって。
自分の気持ちを正直に話す事ができるなんて、
二人だけの時間が思いがけない贈り物でしたって」
あの時も、そしてまだ一度だけだがメールでも、
二人きりになれてよかった、と繰り返していた。
誰にも邪魔されない二人だけの時間があったからこそ、
自分の思いを伝えることができたのだ。
だから、オヤジたちの企みも産物だとわかっても感謝の気持ちは薄れない。
私は黙って頭をさげた。
「人生にはタイミングってもんが必要なのよ。
そのタイミングは知らない間にやって来る時もあるだろうけど、
お膳立てしてもらう時だってあると思うんだよ。どちらにしても
終わりよければすべて良しってこと、ね?」
大きく胸をつきだし自信たっぷりにコーヒーを出す。
その後を引き継いだ三枝さんが、
こういうのを亀の甲より年の功っていうんだよと付け足した。
「成沢さんがね、嬉しそうに話してくれたんだ。良い時間をいただいたって。
自分の気持ちを正直に話す事ができるなんて、
二人だけの時間が思いがけない贈り物でしたって」
あの時も、そしてまだ一度だけだがメールでも、
二人きりになれてよかった、と繰り返していた。
誰にも邪魔されない二人だけの時間があったからこそ、
自分の思いを伝えることができたのだ。
だから、オヤジたちの企みも産物だとわかっても感謝の気持ちは薄れない。
私は黙って頭をさげた。
「人生にはタイミングってもんが必要なのよ。
そのタイミングは知らない間にやって来る時もあるだろうけど、
お膳立てしてもらう時だってあると思うんだよ。どちらにしても
終わりよければすべて良しってこと、ね?」