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薔薇色に変えて
第1章 喫茶・薔薇色

会える時間は急降下するように減った。
彼の仕事の忙しさも手伝って、月に一度程度しか会えなかったが、
一年ほどするとそれも変わっていった。
そして電話さえも途絶え、自然消滅的に和幸と別れた、のだと思う。
はっきりと口にし確認したわけではないから、思う、などという
曖昧な言い方しかできない。
だが、これだけははっきりと言えるのは、
和幸は私のすべてを受け入れようとはしてくれなかったという事。
逃げた、とは思いたくないが、
あの時の私にはそんなふうに彼を卑怯者呼ばわりすることしかできなかった。
・・まったく、織田さんのせいで久しぶりに思い出しちゃったじゃない・・
クスッと笑う頃にはもう会社の前にたどり着いていた。

