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薔薇色に変えて
第1章 喫茶・薔薇色



店を出て、細い通りを突き進み、
最初の角を曲がってすぐの雑居ビルに会社はある。

シルク製品を扱う小さな会社。
港町・横浜には、その昔は多かった。
だが今ではその数は激減し、うちの社をいれて数件しか残っていないのが現状だ。


この会社で私は経理の仕事と商品に札をつけたりする現場作業の仕事をしている。
つまりは、営業以外のすべてを担当しているのだ。
社長他、営業の男性2人、パートの女性1人とそして私。
細々とした経営だが、倒れることもない、と
まるで柳の枝の様な会社である。

そんな小規模な会社だが、
従業員が少ないことは会社にとっては出費が少なく済むという訳で、
私の給料も高給とは言えないが、一人で食べていくのに
困らないくらいは貰えている。



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