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薔薇色に変えて
第9章 薔薇色に変わる
「お互いを見つめる目がさ、愛があふれてるって感じでさ、
 漫画みたいにキラキラして見えるよ、冗談じゃなくてさ」

えー?と声をそろえながら成沢さんと見つめ合う。
その後二人して下を向いて照れ笑いを浮かべた。

「こういうね、場面を見たかったのよ、僕は。
 村山さんの、女の幸せを感じる顔をさ、親代わりの僕は長い事待ってたんだから」

しみじみとした雰囲気にさせておいて、小此木さんはいつものように
肩を上下させてヒヒヒと笑う。
相変わらずのお茶目な年寄りに、いつまでも元気でいてほしいと
私は心の底から願っている。

「よかったわ、喜ばせることができて。
 マスターの足腰が立つうちで、ほんとよかった!」

私の減らず口を成沢さんは、おいおいとたしなめたが、
素知らぬ顔で私は彼の淹れるコーヒーを待った。
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