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薔薇色に変えて
第9章 薔薇色に変わる
「ところで今日の豆はなあに?」
意地悪くあごを突き出す。
すると成沢さんはブレンド豆のキャニスターを
自信たっぷりな表情で私の目の前に突き出した。
「大丈夫、ちゃんとブレンドだよ」
「ああよかった!」
二人だけにしかわからない、意味ありげなやり取りに小此木さんは、
「え?なんだい?豆がどうかしたの?」
私、成沢さん、そして並べられたキャニスターを忙しく見回した。
「なんでもないなんでもない!私達だけの秘密よ」
見つめ合って、微笑みあう私たちの姿を見て、ごちそうさま、と小此木さんは
仕事を投げ出しテーブル席の客達の横に座り込む。
その淹れかけのコーヒーをちゃんと引き継いで、
ゆっくりとゆっくりと細く湯を注ぐ成沢さん。
その手元、口元、目元と順繰りに見つめて私は、あらためて思う。
この店のコーヒーのおかげで、たくさんの人に出会えた。
愛せる人にも出会えた。
人生に彩りを添えてくれた、大切な場所。
これから私と、私の愛する人と二人でありったけの愛情を注いで
守り継いでいく、第二の我が家・・
意地悪くあごを突き出す。
すると成沢さんはブレンド豆のキャニスターを
自信たっぷりな表情で私の目の前に突き出した。
「大丈夫、ちゃんとブレンドだよ」
「ああよかった!」
二人だけにしかわからない、意味ありげなやり取りに小此木さんは、
「え?なんだい?豆がどうかしたの?」
私、成沢さん、そして並べられたキャニスターを忙しく見回した。
「なんでもないなんでもない!私達だけの秘密よ」
見つめ合って、微笑みあう私たちの姿を見て、ごちそうさま、と小此木さんは
仕事を投げ出しテーブル席の客達の横に座り込む。
その淹れかけのコーヒーをちゃんと引き継いで、
ゆっくりとゆっくりと細く湯を注ぐ成沢さん。
その手元、口元、目元と順繰りに見つめて私は、あらためて思う。
この店のコーヒーのおかげで、たくさんの人に出会えた。
愛せる人にも出会えた。
人生に彩りを添えてくれた、大切な場所。
これから私と、私の愛する人と二人でありったけの愛情を注いで
守り継いでいく、第二の我が家・・