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薔薇色に変えて
第2章 寂しそうな客
「なにやってんですか!こんなとこで飛び込んじゃだめです!
 死んだりしちゃダメです!」

周りにいたのはほんの数人だったが、私の出した大声にみな動きを止め、
私と私が腕を掴んでいる男を唖然として見ていた。

いきなりなんだ?と驚いていたのは、周りの人間だけではなかった。
当の本人である男も顔中驚きの表情に変えて私を見返していた。

「なにがあったか知らないですけど、自分から命を絶ったりしちゃいけないですよ」

「あ、いえ・・私は・・」

言いたい事が思うように出てこないのは、やはり後ろ向きな行為を咎められたせいだと
私は勝手に思い込み、そして

「とにかく、落ち着きましょう、ね、私と一緒に行きましょう」

男の腕を掴んだまま、ホームへ滑り込んできた電車に乗り込んだ。




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