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薔薇色に変えて
第2章 寂しそうな客
興奮しながらあの時のあの場面を思い出し、
思わず目に涙を溜めながらグラスの水を一気に飲み干した。

短い私の訴えに、小此木さんは口を開けたままがくがくと頭を揺らし、
私の顔と男の顔を交互に見ていた。

「ここで背中を丸めて座っていた姿が・・とっても寂しそうだって、
 知らない人ながらも大丈夫かなって、心配して・・
 でもまさか、死のうとするなんて・・そこまで・・」

まだ興奮から覚めない私に、やっと男は話し出す合図をした。
片手で空気を押さえるかのような動きをして、話し出した。

「あの・・勘違いされてます」

男はクスクスと笑いだし、頬に赤みが差した。
別人のように、明るい表情だ。

「勘違い・・?え?」

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