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薔薇色に変えて
第2章 寂しそうな客

固まる私を小此木さんが見ている気配がする。
上からの視線が、やけに痛い。
そんな私達に交互に視線を送ってから、男はさらに話を続けた。
「ポケットの中の切符を取り出そうとしたら入れっぱなしのレシートまで出てきて。
それが風に飛ばされてしまったので拾おうとしたら・・
あなたがいきなり腕を掴んで。
びっくりしすぎて唖然としていたらこういうことに」
私は・・血の気が引いた。
なんて勘違いを、なんて恥ずかしい事をしたのだろう。
誰が電車に飛び込むって?誰が死のうとしたって?
勘違いもいいとこ。
いや、赤っ恥、と言ったほうがふさわしいのではないだろうか。
あ~あ、とおおげさなほどの溜息をつきながら小此木さんは
カウンターの中へと戻っていく。
「今日はとびきり高いコーヒー飲んでもらうよ。
あなた、村山さんのおごりだから気にせず高いコーヒー飲んでってね」
呆れ顔のまま、ハワイコナと書かれたキャニスターを振って見せた。
たしかに、高いコーヒーだ。
この店では1杯700円も取る。
上からの視線が、やけに痛い。
そんな私達に交互に視線を送ってから、男はさらに話を続けた。
「ポケットの中の切符を取り出そうとしたら入れっぱなしのレシートまで出てきて。
それが風に飛ばされてしまったので拾おうとしたら・・
あなたがいきなり腕を掴んで。
びっくりしすぎて唖然としていたらこういうことに」
私は・・血の気が引いた。
なんて勘違いを、なんて恥ずかしい事をしたのだろう。
誰が電車に飛び込むって?誰が死のうとしたって?
勘違いもいいとこ。
いや、赤っ恥、と言ったほうがふさわしいのではないだろうか。
あ~あ、とおおげさなほどの溜息をつきながら小此木さんは
カウンターの中へと戻っていく。
「今日はとびきり高いコーヒー飲んでもらうよ。
あなた、村山さんのおごりだから気にせず高いコーヒー飲んでってね」
呆れ顔のまま、ハワイコナと書かれたキャニスターを振って見せた。
たしかに、高いコーヒーだ。
この店では1杯700円も取る。

