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薔薇色に変えて
第2章 寂しそうな客

沈黙が続いた。

すると男が、コーヒーに口をつけ美味しい、とかすれた声で呟いてから
大きく息を吐きだしにっこりと笑った。

「ご迷惑おかけして、すみませんでした」

男に謝られて、一気に私を罪悪感がおそった。
この人が悪いわけじゃないのに、私はなんてことを言わせてしまったんだろう・・

「いえ、私のほうが勝手に勘違いしてしまったんですから、
 あなたが謝ることはないんです。
 そんな、迷惑かけたなんておっしゃらないでください」

私の声もかすれた。
頭を垂れる私は男の表情が全く見えなかったが、聞こえてきた声で
男が私を許してくれているのが感じ取れた。

「正直に言うとね、死んでもいいかなって、思っていたんですよ」

「なんですって?」

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