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薔薇色に変えて
第4章 金曜日の常連
「そんなに怒らなくてもいいじゃない?
そもそも村山さんが引っ張ってきたんだよ、彼のこと」
小此木さんの一言は見事に私を撃沈させた。
その通り、成沢さんにとんでもない誤解をふっかけて、
この喫茶・薔薇色に連れてきたのはこの私なのだ。
「責任もって面倒見ないと、でしょ?」
付け加えられた小此木さんの言葉に、
それみろというしたり顔で桜井さんはコーヒーを飲み干す。
そしてしぼんだ私に一言。
「ほら、会社行く時間だよ」
「えっ!」
時計を見るといつもの時間を5分過ぎている。
「ほんとだ!行かなきゃ!」
慌てて立ち上がり用意していた500円玉をマスターに渡そうとしたら、
勢い余って床に転げ落ちてしまった。
拾おうとして椅子に頭をぶつけた私に、
「いいよ、拾っておくから。はい、いってらっしゃい!」
その言葉にありがたく甘え、すみませんと叫びながら、
カウベルが落ちるぐらいの勢いでドアを開けた。
そもそも村山さんが引っ張ってきたんだよ、彼のこと」
小此木さんの一言は見事に私を撃沈させた。
その通り、成沢さんにとんでもない誤解をふっかけて、
この喫茶・薔薇色に連れてきたのはこの私なのだ。
「責任もって面倒見ないと、でしょ?」
付け加えられた小此木さんの言葉に、
それみろというしたり顔で桜井さんはコーヒーを飲み干す。
そしてしぼんだ私に一言。
「ほら、会社行く時間だよ」
「えっ!」
時計を見るといつもの時間を5分過ぎている。
「ほんとだ!行かなきゃ!」
慌てて立ち上がり用意していた500円玉をマスターに渡そうとしたら、
勢い余って床に転げ落ちてしまった。
拾おうとして椅子に頭をぶつけた私に、
「いいよ、拾っておくから。はい、いってらっしゃい!」
その言葉にありがたく甘え、すみませんと叫びながら、
カウベルが落ちるぐらいの勢いでドアを開けた。