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薔薇色に変えて
第4章 金曜日の常連
仕事の合間、息をつくたびに成沢さんのことを考えた。
たしかに、50そこそこで伴侶を失いこの先一人で歳を取るのは寂しいことだろう。
でも彼自身が、話相手を求めているのだろうか。
寂しくても、亡くなった奥さん以外の女性に目を向ける気持ち、というか
気力がわき起こるのだろうか・・
「村山さん、桐山商事から電話だよ、品質表示の件だって」
営業の石井さんの声がやけに大きく聞こえた。
目の前の電話の音が聞こえないくらい、
あさっての方向を見ていたらしい、私・・