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薔薇色に変えて
第1章 喫茶・薔薇色
私は・・50歳になるこの歳まで独身だ。
結婚不適格者、という訳でも男性嫌い、という訳でもない。
ただ単に、縁がなかった。
それというのも・・
これを言い訳というのかもしれないが、親の介護をしている間に
あっという間に歳を取ってしまったせいだ。
私が30歳の時、父が脳梗塞で倒れた。
あと2ヶ月で還暦を迎える、そんな矢先に。
幸い命は助かったが、後遺症で半身麻痺になってしまった。
一人っ子の私は母と2人、父の介護に明け暮れることになった。
初めのうちは理解と、そして応援をしてくれていた会社も、
日を追うごとに私から目をそむけ、
その態度から迷惑さがじりじりと伝わってきたので、辞めることにした。
32歳の時だった。