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薔薇色に変えて
第4章 金曜日の常連

金曜の夕方、あと1時間で仕事が終わる頃。
ガラケーはメールの着信を知らせた。
小此木さんからのメールだ。

・・やだ、ほんとに知らせてきたよ・・

さりげなさをよそおいながら短いメールに目を通す。
何事もなかったかのようにタグつけの作業を続けたが、
下を向いた顔は頬がたるんでいらない皺を作ってくれていた。


それから1時間、時間通りに仕事を終えるとさっさと帰り支度をしてバッグを肩に担ぐ。

「おっ、今日はまた一段と速いねぇ」

「ええ、ちょっと」

それだけで社長とのやり取りは終わってしまった。
私としては、デートでもあるの?とかそういう憶測を言ってほしかったのに。

「お先に失礼します、お疲れ様でした」

会社を出るとまっすぐ喫茶・薔薇色へと足を速めた。


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