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薔薇色に変えて
第5章 思いがけない報告
「さっき・・薔薇色で話していた時、あのお給料の。
 あの時小さく首振ってましたよね?もしかして・・なにかあるんですか?」

今度は成沢さんが私のグラスにビールを注いでから自分のグラスに注いだ。

「マスターはあんなふうに言ってましたけど、ちゃんとお給料を払うからって、
 言ってくれているんです」

「なんだ、マスターったら、なにも隠すことないのにねえ」

いくら儲けが薄いとはいえ、いくら本人が無給でいいとは言っても、
小此木さんはあら嬉しやと鵜呑みにするような人ではない。
もしかしたら、照れ隠しだったのだろうかと思いだし笑いをもらした。

「それにね・・」

急に憂いた眼差しでカウンターの中の大将を見つめながら、成沢さんはつぶやいた。

「半分はマスターにお願いされたんです」

「え?お願いされた?どういうことですか?」

息をのんで首をかしげる私にむかって、もう一本どうですかと
成沢さんは瓶を振って見せた。
女将に瓶を掲げて見せて、追加したビールが運ばれてきてから成沢さんは続けた。
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