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薔薇色に変えて
第5章 思いがけない報告
「私は一人になって・・寂しいです。
 二人だけの家族でしたが、そばにいてくれる人がいるってことが当たり前になっていた。
 誰かと一緒にいることが自然なことだった。でも、一人になってしまって・・
 私もそのうち慣れるんでしょうかね、一人に・・」

テーブルの上で組んだ自身の手に視線を落としながら、成沢さんは絞り出すように語る。
私は視線を外さずじっと成沢さんを見つめた。

こういう男に愛されてみたい、そう思いながら。

「たぶん・・時間がすべてを解決してくれると思います。
 生きている限り、立ち止る事はないでしょう?
 よく立ち止って人生を考える、なんていうけど、そう言いながらも
 動いていると私は思うんです。
 だって、時間は決して止まらないでしょう?
 時が流れ続けるように私達も動き続けてるんですよね」

そう、時は容赦なく流れ続ける。
ほんの一日でもいいから時間を止めたい。
そう願っても叶う事はない。
あの時こうしておけば・・
そう後悔したところで過ぎた時間は取り戻せないのだ。
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