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薔薇色に変えて
第6章 見守りながら・・


「で、本当のところはどうなんだい?成沢さんのこと」

成沢さんがテーブル席の客へとコーヒーを運んでいくその後ろ姿を確認してから、
三枝さんは急に小声になった。

「は?どうって?」

私はなんとなく気づいたが、わざと素知らぬ顔で聞き返した。

「決まってるでしょ?成沢さんみたいな人が相手だったら、なんて
 考えたりしてるんじゃないの?」

フフッと笑ってごまかそうとした事は三枝さんにはお見通しのようで、

「そろそろ素直になったほうがいい年頃だと思うよ」と
ぴしゃりと言い切られてしまった。


私は、棚に並ぶさまざまな雰囲気のカップアンドソーサーを端から眺めてみた。
繊細なデザインのもの、どっしりと重みのあるもの、シンプルで飾り気のないもの。
それぞれ特徴がある中からこれがいいなと思うものを選ぶ。

人間も同じ。
こういうタイプの、こういう性格の、こういう価値観の、と
自分の理想に近いタイプの人を選ぶ。それはごく自然なこと。

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