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禁煙チュウ
第4章 あまのじゃく
宮田さんはずっと落ち着かない様子で、元カノの雪乃さんの相手をしていた。
店の端のテーブル席から、時々こっちを情けない顔で見る。
……別に、気にしないのに。
開店準備をしながら聞こえてきた雪乃さんの話をまとめるとこういうことらしい。
・新しい彼氏とは婚約までいっていた。
・飲み屋で友達相手にのろけ話をしていたら、後ろの席にケイタ君がいて結婚したと勘違いされた。
・もうすぐ本当に結婚するんだから訂正しなくていいやと思った。
・彼氏が浮気。
・婚約破棄、別れる。
雪乃さんの話はとりとめがなく長々と続いて、開店して普通のお客さんが来ても止まることなく、わたしはバタバタと働いた。
宮田さんがごめん、と視線で謝ってくる。
あぁ、そういうことすると……と思ったと同時に雪乃さんの目がこちらに向く。
わたしはまっすぐ見つめ返す。
ふ、と雪乃さんの目が細くなる。
笑った?
それを見た宮田さんが焦ったようにきょろきょろとわたしと雪乃さんの顔を見比べる。
もう、わかりやすすぎる……。
わたしは小さくため息をつく。
「石井ちゃん、これおかわり~」
「はぁい」
カウンターの常連さんに声をかけられて、ほっとして視線を移した。
しばらくして雪乃さんは一人で帰って行った。
途中から話し声はほとんど聞こえなくて、どんな話をしてたのかはわからない。
そのあと宮田さんがソワソワとわたしの横で働くのが可愛かった。
はやくフォローしたいけどお客さんいるし……みたいな逡巡が丸見えで、本当に可愛い人だな、と思った。
店の端のテーブル席から、時々こっちを情けない顔で見る。
……別に、気にしないのに。
開店準備をしながら聞こえてきた雪乃さんの話をまとめるとこういうことらしい。
・新しい彼氏とは婚約までいっていた。
・飲み屋で友達相手にのろけ話をしていたら、後ろの席にケイタ君がいて結婚したと勘違いされた。
・もうすぐ本当に結婚するんだから訂正しなくていいやと思った。
・彼氏が浮気。
・婚約破棄、別れる。
雪乃さんの話はとりとめがなく長々と続いて、開店して普通のお客さんが来ても止まることなく、わたしはバタバタと働いた。
宮田さんがごめん、と視線で謝ってくる。
あぁ、そういうことすると……と思ったと同時に雪乃さんの目がこちらに向く。
わたしはまっすぐ見つめ返す。
ふ、と雪乃さんの目が細くなる。
笑った?
それを見た宮田さんが焦ったようにきょろきょろとわたしと雪乃さんの顔を見比べる。
もう、わかりやすすぎる……。
わたしは小さくため息をつく。
「石井ちゃん、これおかわり~」
「はぁい」
カウンターの常連さんに声をかけられて、ほっとして視線を移した。
しばらくして雪乃さんは一人で帰って行った。
途中から話し声はほとんど聞こえなくて、どんな話をしてたのかはわからない。
そのあと宮田さんがソワソワとわたしの横で働くのが可愛かった。
はやくフォローしたいけどお客さんいるし……みたいな逡巡が丸見えで、本当に可愛い人だな、と思った。