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禁煙チュウ
第6章 酒は飲んでも飲まれるな
「いや、だからね、なんか見返してやろうみたいな気持ちがあったんですよ、俺としてはね」
「うんうん」
「禁煙位できますよと。そんなもん、やりゃあできるよと」
「うんうん」
「だ~から我慢してね、飴ばっか食ってね、やってたんですよね、俺はっ」
「はいはい」
真中さんの聞いてるんだかどうだかわからない適当な相槌が今はありがたかった。
めちゃくちゃ酔っぱらってる。
そう自覚はあったし石井と話があるのにと思うけど、そのプレッシャーからか俺は違う相手にどんどん饒舌になった。
頭がグラグラしてしゃんとしていられない。
半ば机に突っ伏すようになりながら、俺は話し続けた。
「それなのにあいつはぁ、突然現れて、別れた、とか言ってねぇ、また遊ぼう、みたいなね、ことを言いに来たんすよ、ここにね」
真中さんは本当に強くて、明日早いし、と次々帰っていく同僚の人達を見送りながら俺より多く飲んだ。
時計を見ると午前二時。
他のお客さんも帰って、店にはもう立木さんと真中さんしかいない。
「ここに来たの? へぇ~」
「あ、雪乃ちゃん来たんだ?」
雪乃を知っている立木さんが言う。
「そうっすよ。意味が分んないですよ。自分がフッた相手にですよ、婚約破棄しちゃった~とか言ってね、会いに来るとかね、なんなんだって、思うじゃないすか、ねぇ」
顔を向けられた真中さんがははは、と笑う。
「笑い事じゃないんですよ、も~大変だったんですから俺は~」
とうとう頭を上げていられなくなって、テーブルに顔を伏せた。
「あらら」
頭上で真中さんの呑気な声がする。
「うんうん」
「禁煙位できますよと。そんなもん、やりゃあできるよと」
「うんうん」
「だ~から我慢してね、飴ばっか食ってね、やってたんですよね、俺はっ」
「はいはい」
真中さんの聞いてるんだかどうだかわからない適当な相槌が今はありがたかった。
めちゃくちゃ酔っぱらってる。
そう自覚はあったし石井と話があるのにと思うけど、そのプレッシャーからか俺は違う相手にどんどん饒舌になった。
頭がグラグラしてしゃんとしていられない。
半ば机に突っ伏すようになりながら、俺は話し続けた。
「それなのにあいつはぁ、突然現れて、別れた、とか言ってねぇ、また遊ぼう、みたいなね、ことを言いに来たんすよ、ここにね」
真中さんは本当に強くて、明日早いし、と次々帰っていく同僚の人達を見送りながら俺より多く飲んだ。
時計を見ると午前二時。
他のお客さんも帰って、店にはもう立木さんと真中さんしかいない。
「ここに来たの? へぇ~」
「あ、雪乃ちゃん来たんだ?」
雪乃を知っている立木さんが言う。
「そうっすよ。意味が分んないですよ。自分がフッた相手にですよ、婚約破棄しちゃった~とか言ってね、会いに来るとかね、なんなんだって、思うじゃないすか、ねぇ」
顔を向けられた真中さんがははは、と笑う。
「笑い事じゃないんですよ、も~大変だったんですから俺は~」
とうとう頭を上げていられなくなって、テーブルに顔を伏せた。
「あらら」
頭上で真中さんの呑気な声がする。