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禁煙チュウ
第6章 酒は飲んでも飲まれるな
「じゃあ、ヤリに来ただけすか」
「そう、だねぇ……言い方は悪いけど、自分が想われてるのを確認しに来た、みたいな?」
その真中さんの言葉でなにかがストン、と胸に落ちた。
あぁなるほど。
俺のことがまだ好きとかではなくて、他人の中でまだ価値のある自分、を確かめに来たのか。
そこに他の女がいたから泣いた。自分の価値がなくなったみたいで?
それで元カレと俺を比べるようなことを言ってまで俺の気持ちを引き戻した。
雪乃に俺とヨリを戻すつもりなんかない。
あれば書置きなんか残して帰るはずない。
懐かしむようなことを言っても、どうせヨリを戻したって前と同じ理由でダメになる事なんて解りきってる。
俺だって、そんなこと、本当は解ってる。
……。
「店長さん黙っちゃった」
「いやぁ、真中ちゃんキツイよそれは……」
立木さんが呆れた声を出す。
石井は後ろでどんな顔をしているだろう。
元カノに利用されて、初対面のお客さんに見抜かれて。黙って固まってる、むちゃくちゃかっこ悪い、俺……。
ジリジリと胸が焦げる。
「ね、吸いたいんじゃない? 煙草」
絶妙のタイミングで真中さんが言う。
「……」
「わたしのでよかったらあるけど」
「え~、せっかく続いてるのにやめてあげなよ」
立木さんが真中さんをたしなめる。
「そう、だねぇ……言い方は悪いけど、自分が想われてるのを確認しに来た、みたいな?」
その真中さんの言葉でなにかがストン、と胸に落ちた。
あぁなるほど。
俺のことがまだ好きとかではなくて、他人の中でまだ価値のある自分、を確かめに来たのか。
そこに他の女がいたから泣いた。自分の価値がなくなったみたいで?
それで元カレと俺を比べるようなことを言ってまで俺の気持ちを引き戻した。
雪乃に俺とヨリを戻すつもりなんかない。
あれば書置きなんか残して帰るはずない。
懐かしむようなことを言っても、どうせヨリを戻したって前と同じ理由でダメになる事なんて解りきってる。
俺だって、そんなこと、本当は解ってる。
……。
「店長さん黙っちゃった」
「いやぁ、真中ちゃんキツイよそれは……」
立木さんが呆れた声を出す。
石井は後ろでどんな顔をしているだろう。
元カノに利用されて、初対面のお客さんに見抜かれて。黙って固まってる、むちゃくちゃかっこ悪い、俺……。
ジリジリと胸が焦げる。
「ね、吸いたいんじゃない? 煙草」
絶妙のタイミングで真中さんが言う。
「……」
「わたしのでよかったらあるけど」
「え~、せっかく続いてるのにやめてあげなよ」
立木さんが真中さんをたしなめる。