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禁煙チュウ
第8章 はじめて その1
ぱくぱく、と石井が口を動かす。
声は聞こえない。
「ん?」
「……」
ここまできて言い淀むか。
顔には出てないけど、石井の髪を掻き上げると耳が真っ赤になっていた。
あらら。
俺は顔がニヤけるのを押さえられない。
「……もしかして、処女を捨てたいからとかそういう……」
「違いますっ」
即座に否定して、石井が勢いよく抱きついてきた。
首に腕を回してしがみつく。
「うわっ」
バランスが崩れて倒れそうになって、片手で石井の背中を支えながらもう一方の手を布団についた。
石井がまた俺の耳元でまた口をぱくぱくさせる気配。
息がかかってくすぐったい。
「うん?」
なるべく優しく聞こえるように声を落とす。ぽんぽんと背中を軽く叩く。
石井が大きく息を吸った。くっついた胸が膨らむ。
「……き」
「ん?」
「……す き、です」
囁かれた声は本当に小さくて、恥ずかしげに震えていた。
普段の飄々とした態度とのギャップが俺の胸をくすぐる。
だからか、と納得がいく。
急に距離を詰めたり離れたり。単にどう言い寄ればいいか解らなかっただけという。
これ計算だったらすごいな。
そんなことを思いながらそっと体を離すと、真っ赤になった石井の顔が見えた。
あ、計算じゃない……。
ふつ、と押さえていたものが切れた。
声は聞こえない。
「ん?」
「……」
ここまできて言い淀むか。
顔には出てないけど、石井の髪を掻き上げると耳が真っ赤になっていた。
あらら。
俺は顔がニヤけるのを押さえられない。
「……もしかして、処女を捨てたいからとかそういう……」
「違いますっ」
即座に否定して、石井が勢いよく抱きついてきた。
首に腕を回してしがみつく。
「うわっ」
バランスが崩れて倒れそうになって、片手で石井の背中を支えながらもう一方の手を布団についた。
石井がまた俺の耳元でまた口をぱくぱくさせる気配。
息がかかってくすぐったい。
「うん?」
なるべく優しく聞こえるように声を落とす。ぽんぽんと背中を軽く叩く。
石井が大きく息を吸った。くっついた胸が膨らむ。
「……き」
「ん?」
「……す き、です」
囁かれた声は本当に小さくて、恥ずかしげに震えていた。
普段の飄々とした態度とのギャップが俺の胸をくすぐる。
だからか、と納得がいく。
急に距離を詰めたり離れたり。単にどう言い寄ればいいか解らなかっただけという。
これ計算だったらすごいな。
そんなことを思いながらそっと体を離すと、真っ赤になった石井の顔が見えた。
あ、計算じゃない……。
ふつ、と押さえていたものが切れた。