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17歳の寄り道
第9章 【村上編】化学教師、村上浩輔
こんな気持ちじゃ、親になんてなれない。
結婚生活だって、続けては行けない。
ごめんなさい。

泣き続ける詩織に、掛ける言葉は見つからなかった。
そして俺は、下品な嫉妬に見舞われていた。

今まで、嫌々俺とセックスをしていたのか。
俺に抱かれながら、誰の事を考えていたんだ。

しかし、俺にも落ち度があると思い直し、しばらくはそれでも夫婦生活を続けた。情けないことに、他の男の存在に嫉妬し、欲情したりもした。


ある夜、ベッドの上で交わりながら、詩織はついに男の名を呼んだ。
俺の名前ではない、男の名を。

そこで、糸が切れた。

その詩織の「好きな人」とは、体の関係などなく、ただ単に片思いしているだけだと言っていたが、到底信じられるはずもなく、俺は逆上した。
今思えば、暴力に近かったと思う。

詩織の顔は恐怖に歪み、ごめんなさいと何度も繰り返していたが、許せなかった。
泣き叫ぶ詩織を無理矢理押さえつけ、事を終えた。

詩織だけが悪いのではないのに。


俺が離婚に応じたのは、それからすぐ後のことだった。
ローンの残るこの家に一人。
内装だって、詩織の望むとおりにした。
アイランドキッチンがいいだのなんだの、和室は小上がりにしたいだの。
子供部屋はここだね、なんて話したりしたその部屋は、今は物置だ。

全て要望を実現したはずのこの家を、詩織は躊躇せず出ていった。

俺も、売り払って出て行ってもいいはずなのに、物ぐさなのが災いして、いまだ住み続けている。

この家に上がった生徒は二人。
白川と……、もう一人は浅野だ。

学園が初めて女子生徒を受け入れた年。
女子の入学生徒数が少なかったこともあり、教員側には想定していたほどの混乱もなく過ごしていた。

気になったのは、一人の男子生徒。
入学当初から、人を見下し、世の中に失望しているような目つきをする浅野を、俺は放っておけなかった。

浅野は両親が不仲である影響をまともに受けていた。
小学生までは、真面目な子だったらしい。小さい頃の夢は、父親の職業である医師だったそうだ。

ご両親もきっちりした方だという事は知っているが、実際の家庭生活まで立ち入っているわけではない。

休みがちな浅野の家に寄って帰る日が続いた。
母親はたびたび遠い実家に帰っていた。金は置いてあり、食うものには困っていなかったし、家の掃除は行き届いていた。
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