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17歳の寄り道
第9章 【村上編】化学教師、村上浩輔
最初は浅野も警戒して俺の事を受け入れなかったが、学校に来た時は、ぽつりぽつり俺に話しかけてくるようになった。

「先生、なんで離婚したの」

そんなことを聞かれ、イラッとしながらもバカ正直に経緯を話した。
浅野は、まっすぐ俺を見ながら話を聞き、俺が話し終えると、考え込むような顔をしていた。

「ふぅん。……じゃあ、俺がいなかったら、俺の両親は別れられてたのかな。俺のせいで、別れられないのかな」

高校一年生。
子供ではないとは言え、まだ、子供でいたい部分もあるはずだ。
そんな時期に、そんな疑問を抱かせる両親に、静かに憤りを感じた。

「お前がそんなこと気にするな。それより、女とかいないのか。恋愛でもして青春してろ」

軽口を叩き笑いかけると、浅野は一丁前に鼻で笑いやがった。

「俺、童貞じゃねーし」と、偉そうにふんぞり返っている。バカめ。

「俺だって童貞じゃねぇよ」

俺も完全に大人げない返事をする。
浅野はひひっと笑いながら、話を続ける。

「あの、放課後いつもサッカー部見てる子。なんて名前だっけ」

浅野の表情で、その女子に気があるのはすぐにわかった。…それが誰のことだかはわからないが。

「…知らないな。」
「うちのクラスだよ。なんで知らねーの、担任なのに」

何だ。執着しやがるな。

「うちのクラスぅ?じゃあ白川か須賀だろ。須賀はブラバンだから、白川碧か?」

華やかで活気のある須賀に比べ、白川は、穏やかでニコニコしてる無害な生徒。
少し幼さが残る輪郭に、艶のある黒髪。大きな瞳が印象的だ。

「あいつが白川碧かぁ…」

含みをもたせるような言い方をする浅野に、俺は笑いながら「青春だな」と冷やかした。

「うっせーな、別に興味ねぇよ。そいつを狙ってる奴を知ってるだけだよ」
「あっそ」

俺から見る高校生は、キラキラ輝いていて眩しい。
彼らのこれからの可能性は、今の俺より無限に広がっていて、無数の選択肢がある。

天文部の顧問になり、大人になって初めて目の当たりにした星空には、胸が震えた。
その星の数ほどの可能性が、彼らにはある。

「そうだ、お前部活やんないの?リトルリーグ入ってたんだろ」
「野球は中学でやめたよ。今更…音楽聴いて漫画読んでるだけでいい」
「じゃあ、天文部入れば?たまには空でも見上げろ」
「ハア?興味ね〜」

浅野は煩わしそうに眉を寄せた。
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